トッテナム、マンCに勝利したことで、スールシャールは延命となった。とはいえ、内容は決して安定しておらず、相手がいまのマンUを低評価し、見くびってきた結果だったと判断できる。「いまのマンUには勝てる」という緩み、スキがなければ、この結果にはなっていなかっただろう。マンUをしっかりと尊敬し、全力でぶつかってきたシェフィールド戦、アストン・ヴィラ戦で判断するなら、やはり監督交代という英断が必要かもしれない。幸い、いまはアンチェロッティ、ポチェッティーノ、マッシミリアーノ・アッレグリといったビッグネームがフリーとなっている。
また、今冬の移籍が予想されるマティッチ、ポグバが抜ける中盤にもっと厚みがほしい。いまはマクトミネイ、アンドレアス・ペレイラ、フレッジでボランチをまわしているが、それぞれが献身的なプレイをしているのはわかるが、よりダイナミックに攻撃参加する推進力のある選手がいれば、ゴールチャンスが増えるはずだ。
さらに、ロメル・ルカクを放出した前線のコマも薄い。18歳のグリーンウッドが交代出場で経験を積んでいるが、マルシャルやラッシュフォードがケガをしたときのことを考えると心もとない。レスターのジェイムズ・マディソン、ドルトムントのジェイドン・サンチョを狙っているというニュースがあるも、マディソンはレスターとの契約を延長したとの最新情報がある。一方、サンチョには今夏も接触しており、こちらはマディソンよりも獲得に現実味がありそうだ。
また、ザルツブルクで南野拓実とプレイするアーリング・ハーランドにも興味を示しており、『Daily Mail』によれば複数のクラブが獲得に動くなか、マンUが一歩リードしているという。マディソン、サンチョ、ハーランド。今冬、オールド・トラッフォードでプレイすることになるのはいったいどの選手なのか──。
なにはともあれ、マンUはまずスールシャールを続投させるのか、フリーとなっているビッグネームを招聘するのか決めないといけない。そのうえで、リストアップしている選手を確実に獲得したいところだ。OBたちは「時間を与えるべき」と語り、ここにきてトッテナム、シティに連勝している。しかし、スールシャールには観衆を魅了するモダンなチームは作れないと考える。いまは少数精鋭で戦っており、選手のコマが足りていないのも明白だ。新監督のもと、新戦力を加えて新たなスタートを切ったほうがいいのではないかと思われる。
文/飯塚 健司
※theWORLD(ザ・ワールド)240号、2019年12月15日発売の記事より転載
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