今月10日にエヴァートンの新指揮官に就任したカルロ・アンチェロッティ監督。今季低迷する同クラブの再建を託された老将は、初陣となったプレミアリーグ第19節でバーンリー相手に1-0で勝利。見事初陣を飾っている。
順調な滑り出しとなったアンチェロッティ監督だが、まだ課題は山積み。特に守備陣はここまで大量29失点と崩壊している。まず着手すべきはここだろう。しかし、攻撃陣の中にも早急に取り組みたい問題がある。今季から加入したFWモイーズ・キーンのパフォーマンス改善だ。
昨季ユヴェントスでブレイクを果たしたキーン。この19歳は「イタリア最高クラスの若手」という看板を引っ提げてイングランドに乗り込んできたが、ここまで公式戦17試合に出場して未だゴール“ゼロ”。マージーサイドで難しい時間を過ごしており、パフォーマンスに対してサポーターからは厳しい声も上がっている。
しかし、この19歳に関して百戦錬磨の老将に焦りはないようだ。英『Daily Mirror』によると、アンチェロッティ監督はキーンの覚醒までにはもう少し時間がかかると次のように語っている。
「キーンは昨季とてもうまくやっていた。私はナポリの時に彼を獲得しようとしていたよ。でも結局、エヴァートンが先に彼を確保したね。キーンは最高の才能を持っている。まだ19歳なんだ。適応するには時間が必要なのさ。今の彼にとっては国もチームメイトも全てが新しいものなんだ。ナポリのイルビング・ロサーノにも同じ問題があったね。しかもキーンのように19歳ではなかった。時間がかかるのは当然だ。私が選手だった頃にもそういう話はあった。ミシェル・プラティニだって、サンテティエンヌからユヴェントスに加入した時も適応するのに半年はかかったよ」
アンチェロッティ監督はナポリ時代の教え子や、かつて“将軍”との異名をとったレジェンドを引き合いに出してファンに今は我慢するように要求している。たしかに、加入してまだ半年。右も左もわからぬ新天地でいきなり19歳に結果を求めるのは酷な話かもしれない。
とはいえ、一刻も早く覚醒してほしいのは事実。はたして、キーンはこの老将の下で再びユヴェントス時代のような輝きを放つことができるのか。ゆくゆくはこれまでの低評価を覆すような大活躍を披露したいところだ。
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