12月7日、J1最終節で横浜F・マリノスが3-0でFC東京を下して優勝した。2位のFC東京は4点差勝利が逆転優勝の条件だったが、26分にティーラトンに先制点を決められている。序盤はFC東京が横浜FMのビルドアップを押さえ込み、チャンスも作っていたが、先制を許したことで5点が必要になってしまった。
「失点するまではチャンスも作れていましたが、失点で少しガクッときた。4点差で勝たなければならない状況ですから難しくなったと思いました。ただ、やるべきことは変わらずやっていたのですが、点がとれなくて焦りにつながっていった」(橋本拳人)
34試合すべてに出場した橋本は「今日は完敗」と認めながら、「逆にすっきりした」とも言う。
「プレッシャーのかかったゲームで勝点をとれなかったのが課題ですね。シーズンを通して自分たちの戦いは続けてこられていて、チームとしての成長を感じられました。一方で優勝するのは簡単ではないと思い知らされた。頂点に立ちたいという気持ちはどのチームより強いと思うので、すべてを来年にぶつけたい」
日本代表の常連にもなった自身の課題を「チャンスを作ること」と話していた。
「チャンスを作るパス、チャンスに絡むのは自分の課題。チャレンジはしてきましたが、まだ精度が低いし回数も増やしたい」
豊富な運動量と守備力には定評がある。今季は攻撃面でもパスワークに安定感が増した。さらに決定的なパスを増やすことが課題であり、それに取り組んでいた。FWの動き出しを見逃さずにラストパスを送るプレイは今季何回も見られた。FC東京の得意とする「ファスト・ブレイク」では、ボールを奪った瞬間にFWがすかさず相手ディフェンスラインの裏を狙って動き出す。その瞬間を見逃さない目が要求される。
「(ラストパスのポイントは)少しずつ見えてきたので、さらにチャレンジしていきたい」
最終戦でも浮き彫りになったように、FC東京の課題は相手に引かれて2トップのスピードを生かすスペースが限定されたときの攻撃力だろう。橋本のさらなる成長はチームの課題解消につながるはずだ。
文/西部 謙司
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