問われるモニターの存在意義 プレミア審判はVARを使いこなせていないのか

プレミア第11節ワトフォード対チェルシーの試合でテイラー主審は自らの目でプレイを見返すことなくPKの判定を下した photo/Getty Images

英紙は疑問感じる

プレミアリーグでは今季よりビデオアシスタントレフェリー(VAR)制度が導入されたが、まだファンや有識者の間で賛否両論が渦巻いている。誤審の数自体は減ったかもしれないが、全てなくなったとは言い難い。VARをチェックした上で疑惑の判定になるなんてことも所々では見受けられる状況だ。

最終判断をするのが人間である以上、これは仕方のないことかもしれない。しかし、審判たちは正しい判定を下すために最大限の努力はすべきだろう。はたして、彼らはそれができているのだろうか。英『The Sun』は疑問を投げかける。

同メディアによると、今季ここまで行われたプレミア110試合において、主審がVARの助けを借りる際にピッチサイドに設置されたモニターを確認したケースは一度もないという。試合の勝敗に関わるシーンの判定を下す人間がただの一度も自分の目で当該プレイをその目で見返していないのだ。これでは「プレミアの審判たちがVARを最大限活用できていない」と言われても仕方ないか。
この状況には現場からも不満の声が。第11節でワトフォードと対戦したチェルシーのフランク・ランパード監督は、試合終盤にMFジョルジーニョがペナルティエリア内で取られたファウルに対して試合後、「(ファウルかどうかは)微妙なラインだったけど、それならモニターを使わないと……」と、この日主審を務めたアントニー・テイラー氏にチクリ。誤審かどうかという話ではなく、ランパード監督はせめて主審が自分の目で映像を確認してから判定を下してほしかったということだろう。

ピッチ中央に設置されているモニターまでその都度向かっていれば、試合は間延びしてしまう。主審としてはVAR最大の懸念事項とも言える「流れの分断」を最小限に止めるための判断かもしれないが、肝心の判定がおざなりになってしまえばこの制度を導入した意味が問われかねない。当該プレイを自分の目でもう一度チェックする。少々大変ではあるが、下された判定を皆が納得するためには必要な作業だろう。

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