先ほどご説明した攻め方を貫くには、相手最終ラインの背後を突くランニングが得意なオバメヤン、ペペ、アレクサンドル・ラカゼットを3トップに置き、彼らに攻め残りさせるのがベストだと思います。まだシーズン序盤ですし、「この試合を落とすと上位進出が絶望的」という状況でもありませんので、強敵リヴァプールが相手とは言え、アーセナルには攻撃的な姿勢を貫いてほしいですね。布陣も3バックや5バックといった守備的なものではなく、[4-3-3]で良いのではないでしょうか。
今夏にアーセナルに加わった面々のなかで今のところ好印象に映っているのが、17日のリーグ第2節(バーンリー戦)で先発出場を果たしたMFダニ・セバージョスです。同じくトップ下を主戦場としているメスト・エジルと比べ守備がうまいという印象を受けましたし、攻守の切り替えも速いなと感じました。実際に、バーンリー戦の決勝ゴールはセバージョスの鋭い出足によるボール奪取から生まれています。
また、ボールを持った際に自分が理想とするリズムやテンポにこだわる傾向が強いエジルに対し、セバージョスからは簡単にボールを捌くべきシチュエーションではいち早く味方へのパスを選択するという、球離れの良さが窺えます。速攻の打ち合いが予想されるリヴァプール戦では、セバージョスの強みである素早い攻守の切り替えや球離れの良さが活きそうな感じがしますし、3トップとセバージョスを起点にハイプレスを仕掛ければ、リヴァプールの最終ラインや中盤を慌てさせることも可能だと思いますが! 多くの新戦力を加えたアーセナルのサッカーが、欧州屈指の完成度を誇るリヴァプールを相手にどこまで通用するのか。私としてはこのような視点で今回のビッグマッチを見守りたいと思います。
ではでは、また次回お会いしましょう!
※プレミアリーグ第3節、リヴァプール対アーセナルの一戦は日本時間8月25日(日)の午前1時30分にキックオフ!
水沼貴史(みずぬまたかし):サッカー解説者/元日本代表。Jリーグ開幕(1993年)以降、横浜マリノスのベテランとしてチームを牽引し、1995年に現役引退。引退後は解説者やコメンテーターとして活躍する一方、青少年へのサッカーの普及にも携わる。近年はサッカーやスポーツを通じてのコミュニケーションや、親子や家族の絆をテーマにしたイベントや教室に積極的に参加。幅広い年代層の人々にサッカーの魅力を伝えている。
●最新情報をtwitterで見よう!
twitterアカウント
https://twitter.com/theWORLD_JPN/