香川にはクロップよりもトゥヘルが合っていた 司令塔・香川が躍動する理由となった両指揮官の”違い”とは

出来ることが増えたドルトムント

出来ることが増えたドルトムント

チームを変えたトゥヘルphoto/Getty Images

昨季苦しいシーズンを過ごしたドルトムントは、トーマス・トゥヘルを招聘して新たなスタートを切った。昨季を7位で終えていたために今季も苦しむことになると予想されたが、チームは序盤からエンジン全開で、最終的には2位でフィニッシュした。

それに合わせるように調子を上げたのが日本代表MF香川真司だ。香川は昨季全38試合に出場して6得点だったが、今季は44試合に出場して13得点と2桁に乗せている。では、何が大きく変わったのか。米『Bleacher Report』は前指揮官ユルゲン・クロップとトゥヘルの違いを紹介し、香川やマルコ・ロイス、ヘンリク・ムヒタリアンらアタッカー陣が躍動した理由を伝えている。

まず何よりの変化は、ボールを大事にする考え方だ。クロップのサッカーは縦に速いスピード感溢れるものだったが、トゥヘルはよりポゼッションを重視して戦っている。ポゼッション率はクロップ政権時は53・6%だったが、トゥヘルの下では60・1%まで上昇。ボールを保持している時間が長くなり、それはユリアン・ヴァイグルや香川ら司令塔タイプの選手を助けることに繋がった。
また、ポゼッションの重視と合わせて減ったのが走行距離だ。クロップが率いていた時のドルトムントは、2011-12シーズンの平均走行距離が118・2km、2012-13が117・7km、2013-14が119・6km、2014-15が118・6kmとなっているのに対し、トゥヘルが率いた今季は113・3kmと5km以上減っている。

香川はクロップのスタイルにも適応していたが、よりボールを大切にして運動量を抑えたトゥヘルの方が合っていると言える。それでいてトゥヘルは高速のカウンターアタックも取り入れており、クロップのチームよりも出来ることが増えた印象だ。

来季はチャンピオンズリーグにも出場することになるが、今のドルトムントならばバルセロナやレアル・マドリードとも良い勝負ができるはずだ。香川はチャンピオンズリーグに対してあまり良い思い出がないが、トゥヘルの下で生まれ変わった現在の状況ならば欧州最高峰の舞台でも暴れることができるかもしれない。

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