南米サッカー連盟(CONMEBOL)は、同大陸のクラブ王者を決めるコパ・リベルタドーレスの決勝戦を、南米以外の地域で開催することを検討しているようだ。『The Athletic』が報じている。
1960年から開催されている南米の伝統ある大会。66回目となった今大会はブラジルのパルメイラスとフラメンゴが、それぞれ準決勝を勝ち抜き決勝に進出。決勝戦は11月29日にペルーの首都リマの競技場で行われることが決まっており、2021年大会決勝と同じ顔合わせになったことで注目が集まっている。
そんな中、CONMEBOLのマーケティングディレクターであるフアン・エミリオ・ロア氏は同メディアに対し、今後南米以外で決勝戦を開催する案が議論されていると言及。「これは常に議題に上がっており検討されているテーマで、確実に話は進んでいる。これは関心を集めるために必要なことの一つだ。南米以外でも関心を高めるために、様々な取り組みを行っている。決勝におけるストーリーテリングとブランド体験の開発を進めるとともに、クラブや選手に関するストーリーをさらに多く生み出すよう努めている」と南米以外での関心拡大に向け動いていることを明かした。
実現すれば、2018年大会以来の海外開催となる。2018年大会の決勝は、中立地での1発勝負ではなくホーム&アウェイの2試合制で行われ、アルゼンチンのリーベル・プレートとボカ・ジュニアーズのライバル対決が実現。スーペルクラシコと呼ばれる両チームの対戦は、試合前から両サポーターが激突するなどの盛り上がりを見せ、ボカのホームで行われた1stレグは2−2のドロー。続く2ndレグはリーベルのホームで行われるはずだったが、試合前にボカの選手を乗せたバスがリーベルのサポーターに襲撃され試合が延期に。結果、数週間後にレアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウで行われ、3−1でリーベルが勝利し優勝した。異例の出来事となったが、これが初めて南米以外で開催された大会となった。
またCONMEBOLはコパ・リベルタドーレスとコパ・スダメリカーナの2027年から2030年までの放映権の販売を進めていると報道。2023-26シーズンで得た約15億ドル(約2300億円)の収益よりさらに増加する見込であり、多くの放送局がすでに購入しているとのこと。今年の決勝戦は190カ国以上で放送され、おそらく年間で最も視聴率の高いスポーツイベントの一つになるとし、ロア氏は「放送局が我々と協力し、南米だけでなく世界中でリベルタドーレスとスダメリカーナのブランド価値をさらに高めるための計画を検討中だ。これは我々にとって重要な決断であり、単なる資金調達ではなく、革新性、デジタル展開、グローバルなリーチをもたらす戦略的パートナーシップを優先している」と語った。