底知れない実力を見せつけた中谷潤人 狂気じみたフルスイング連発でIBF王者・西田を寄せつけず圧倒勝利

31戦全勝の中谷 (写真:本人インスタグラムより)

続きを見る

驚愕のスピードとパワーを発揮

6月8日、WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦が行われ、WBC王者・中谷潤人がIBF王者・西田凌佑に6回TKO勝ちを収めて自身初の2団体統一王者となった。

その中谷は初回から、エンジン全開で攻勢に出るサプライズを見せた。彼の中では、この試合で周囲を驚愕させるパフォーマンスを見せつけたいという想いがあり、いきなりの猛攻で西田に襲いかかった。

西田はその強力な連打に押されながらも防御を固め、隙を伺い対抗。ただ2回まで手数とヒット数で中谷が明らかに上回り、優位な展開を作っていく。
3回には西田が距離を潰して接近戦で中谷のリズムを崩しにかかる。時折、中谷の顔面を捉えるパンチをカウンターで繰り出すが、パワーと勢いが一向に止むことのない中谷は、それ以降も変わらず重いパンチを当て、西田にダメージを蓄積させていく。

すると6回には西田の右まぶたが大きく腫れ上がった。中谷はその視界が塞がりかけている西田の顔面右を捉える左フックを浴びせ、さらに手を止めずに、ここが仕留めどころと狂気じみた大振りパンチを何度も繰り出す。西田はそれでも果敢に距離を詰め、連打にはクリンチで対応。何とか耐え凌ぐことで精一杯の状況となった。

その後、コーナに戻ると事態が急転。7回が始まる前に、意外にも右肩脱臼により西田陣営が棄権し、中谷が6回TKO勝ちとなった。

試合後に中谷は、初回から猛攻を仕掛けたことについて「1つサプライズというか、チーム内で皆さんを驚かしたいと思っていました。エンターテイメント性としてファンや、西田選手を驚かしたいと思いがあり、うまくハマったなっていう感じです」と語り、狙い通り他団体王者を圧倒する計り知れない実力を見せつけた結果となった。

またリングサイドでこの試合を観戦していたスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥へのメッセージとして「もうすぐ行くので待っていてください」と自信たっぷりな笑顔で答えた。

中谷は今後、階級を上げてスーパーバンタム級に挑戦すると見られている。来年5月に予定される井上VS中谷実現へ、一歩進んだ形となった。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.305 欧州クライマックス

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:ALL SPORTS

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ