現在プレミアリーグ2位につけるものの、首位リヴァプールと13ポイント差を離されているアーセナル。数字上は逆転可能だとはいえ、今季わずか1敗のリヴァプールがここから大崩れすることは考えづらく、ほぼタイトルレースから脱落したとみるのが妥当だ。
失速の大きな原因はアタッカー陣の大量離脱にある。カイ・ハフェルツとガブリエウ・ジェズスは今季絶望。ブカヨ・サカとガブリエウ・マルティネッリは少なくとも代表ウィーク明けの4月まで戻ってこられない。現在はCFの位置にMFミケル・メリーノを起用して凌いでいる状態だ。リーグ戦ではここ2戦、勝利どころかゴールがない。
冬の移籍市場では誰も獲得せず、結果的にそれが失敗だったとみられている。しかし『Amazon Prime』に出演した元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏は、失敗はこの冬に起こったわけではないことを指摘している。
「夏にストライカーを獲得しなかったことが最大の失敗だったと思う。1月に選手を獲得するのはいつも難しい。適切な価格で適切な選手を獲得することはね」
「誰が(スポーツディレクターとして)就任するにせよ、アーセナルにとって最優先事項は9番でなくてはならない。ミケル・アルテタ(のサッカーで)は偽9番でプレイできるが、それが最優先事項だ」
「そのポジションはとても重要だ。シーズンに20〜30ゴール決められる選手がいれば、タイトルを獲得できる」
また、同じく元イングランド代表FWのアラン・シアラー氏も同調している。
「誰がその決定を下したのか知る必要がある。1月やシーズンの初めにストライカーを獲得しないと決めたのは誰だ? 彼らには1月どころか、昨年の夏にもそれが必要だった。その答えはわからないが、明らかに彼らはそれを逃し続けてきたし、今も逃し続けている」
「素晴らしいストライカーがいれば、今頃リーグ優勝できていただろうことを私は信じて疑わない。偉大なストライカーは大事な試合で違いを生み出す」
今季だけでなく、昨季も、一昨季もあと一歩で優勝を逃し続けているアーセナル。純粋な点取り屋はアルテタのサッカーに合わないという意見も根強かったが、ハフェルツやジェズスを凌ぐストライカーはやはり必要なピースだったようだ。