EURO2024準優勝という成績は立派なものだが、イングランド代表の戦いぶりは大会を通して怪しいものだった。
スッキリしない理由は、選手たちがベストパフォーマンスを発揮できていない点にある。特に攻撃陣はハリー・ケイン、ジュード・ベリンガム、フィル・フォーデン、ブカヨ・サカ、コール・パルマーなど豪華な顔ぶれだが、代表での彼らには連携というものがほとんどない。
個人のクオリティ頼みなところがあり、中でも今大会はケインとフォーデンの調子がなかなか上がらなかった。両者は先発で固定されていたが、ケインはコンディションが上がっていないように見え、フォーデンは指揮官ガレス・サウスゲイトのスタイルにフィットしていなかった。
24歳と若いフォーデンは今後もイングランド代表を引っ張ってほしい選手だが、英『Sportbible』はフォーデンがジョゼップ・グアルディオラ式のサッカーでなければ活躍できないタイプの選手ではないかと不安視している。
フォーデンが所属するマンチェスター・シティは、指揮官グアルディオラが細部まで完璧に作り込んでいるチームだ。グアルディオラがフォーデンの才能を引き出しているのは間違いなく、昨季フォーデンはプレミアリーグで19ゴール8アシストの成績を残している。しかし、その個性を代表監督サウスゲイトは引き出せていなかった。
今大会は左ウイングとしてスタートしたが、フォーデンは明らかにやりづらそうだった。システムの中で自分がどう動けばいいのか分からないところがあったのではないか。
「フォーデンはグアルディオラの下で『システムプレーヤー』になったと主張する者もいる。つまり、ボールを受ける前から次にどう動けばいいのか、システムの中で自分の役割が分かっているような、極めて特殊な環境でのみフォーデンはパフォーマンスを発揮できるのではないかという意味だ」
同メディアはこのように伝え、今後の代表キャリアを気にかけている。現代サッカーでは選手のポジショニングも徹底的に管理されており、特にグアルディオラ率いるマンCは特別だ。攻撃の形が完璧にデザインされている。
それを代表チームで完成させるのは難しく、フォーデンが代表でも輝けるタイプなのか疑問も残る。果たして代表でどのようにフォーデンの才能を引き出せばいいのか。