もうサウジアラビアのリーグが大ピンチ? 暑すぎ&観客少なすぎ問題で欧州スター引き抜き作戦は早くも怪しい空気に……

ヘンダーソン(右)はすでにサウジを去った photo/Getty Images

サウジアラビアを離れたがる選手も

19日、オランダの名門アヤックスはサウジアラビアのアル・イテファクからMFジョーダン・ヘンダーソンの獲得を発表した。

ヘンダーソンは昨夏にリヴァプールを離れてサウジアラビアへ向かっていたが、早くも欧州へ復帰することになった。

一部ではサウジ・プロフェッショナルリーグの野望が怪しくなってきているとの声も出ているが、英『The Sun』は欧州とは環境が違いすぎると指摘。ここまで浮上してきたサウジ・プロフェッショナルリーグの問題を列挙している。まずは灼熱の気候問題からだ。
「サウジアラビアの気温により、選手たちは暑さに苦しんでいる。一部の地域では気温が40度に達することも多く、うだるような気候の影響でトレーニングは夕方に行われている。これに関してクリスティアーノ・ロナウドは、『サウジで感じた最大の違いは、暑さだ。涼しい時間帯の夕方にトレーニングするため、そこにスケジュールを調整しなければならない』と語っている」

「また今季のサウジプロリーグは恥ずかしくなるほど観客が少なく、残念な光景が広がっている。リヴァプールのレジェンドであるヘンダーソンはアンフィールドの騒々しい5万人の前でプレイすることに慣れていた。しかし11月のアル・イテファクでは、彼はわずか610人の観衆の前でプレイしている。しかもこの観客数は今季のサウジ・プロリーグの中で5番目に少ない入場者数にすぎない。18チーム中15位に位置するアル・リヤドは、観客が150人に満たない試合が2試合もあった。アブハー対アル・ハズムの戦いでは、2万人のスタジアムに257人しか入らなかった。リーグの半数以上のチームの平均入場者数が1万人未満となっており、欧州からのスター選手流入がサウジ国民の試合観戦につながっていないことは明らかだ」

「さらに選手たちにとってもう一つの問題は、リーグのレベルだ。サウジアラビアでプレイすることが代表チーム招集にどう影響するのかが問題だ」

暑すぎる気候、物足りないスタジアムの熱狂と疑問視されるリーグレベルなど、早くも問題点がいくつも浮き彫りとなっている。こうした現状を見れば、欧州でプレイしている選手たちもサウジアラビア行きを躊躇うようになるかもしれない。ヘンダーソンのアヤックス移籍もインパクトは大きく、サウジ・プロフェッショナルリーグにはまだまだ課題が多そうだ。

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