オコチャ、レコバらサッカー界から消える“ファンタジスタ”たち 魅せる選手が減る寂しさ

インテルで活躍したレコバ photo/Getty Images

トリッキーなプレイを披露する選手は減少傾向に

サッカーは時代を重ねるごとにゲームスピードが上がっており、戦術面の進化も続いている。全体的にレベルは上がっていると言えるだろう。

しかし、その一方で個性の強い選手は減少傾向にあるのではないか。英『Planet football』はタイトルを獲得した選手とは別に、エンターテイナーだった選手は人々の記憶に残りやすいと綴り、サッカー界から消えかかっているファンタジスタにスポットを当てている。

例えばポルトガルでは、FWリカルド・クアレスマだ。クリスティアーノ・ロナウドと世代が近いクアレスマも近年のポルトガルを代表するウイングで、トリッキーなプレイではロナウドより上と言ってもいいのではないか。ラボーナなど、魅せるプレイが非常に面白い選手だ。
ナイジェリアからはジェイ・ジェイ・オコチャだ。パリ・サンジェルマンやイングランドのボルトンで活躍したオコチャもヒールリフトなど観衆を盛り上げるプレイを見せてくれる選手だった。1996年にはアトランタ五輪を制し、ワールドカップにも3度出場するなど当時のナイジェリアは特別な世代だ。その中心選手の1人がオコチャであり、今のアフリカサッカー界を見てもオコチャほど魅せてくれる選手はかなり少なくなっている。

ウルグアイからは、インテルなどで活躍したアルバロ・レコバだ。同メディアは「90年代から2000年代初頭のセリエAには、今よりも人々を魅了する何かがあった。それはレコバのような選手のおかげだ」と称賛しており、同じインテルで活躍したブラジルの元祖怪物ロナウドなど何かやってくれるのではと思わせる選手が多かった。レコバもその1人で、当時のセリエAにはファンタジスタと呼ばれる選手が複数いたのだ。

現役選手では、現在UAEのアル・ナスルSCでプレイするモロッコ人MFアデル・ターラブトの名前も紹介されている。ターラブトといえば、ミラン時代には本田圭佑と一緒にプレイした時期もあった選手だ。

ポルトガルの名門ベンフィカで主力としてプレイした時期もあったが、やはり最大のハイライトはイングランドのQPR時代だろう。トリッキーなドリブルを連発し、相手DFの股を抜くなどターラブトのプレイにサポーターは大いに沸いていた。

いずれも見ていて楽しい選手だが、現代サッカーには組み込みにくいところもある。ただ、やはりファンタジスタ系の選手はサポーターの記憶に残りやすい。今でもそうした選手の登場を待ち望んでいるファンも多いことだろう。

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