浅野拓磨が見せた“異次元の勝負強さ” 最終節でボーフムの窮地を救った

試合後にファンと残留の喜びを分かち合う浅野 photo/Getty Images

1G1Aの活躍でボーフムを残留へ導く

ボーフムは27日、ブンデスリーガ最終節でレヴァークーゼンと対戦した。

33試合を消化した時点で、9勝5分19敗の勝ち点「32」。ボーフムは最終節を残して、2部との入れ替え戦へ向かうこととなる16位に沈んでいる。今季は失点が多く(リーグ最下位となる72失点)、得失点差での争いとなると非常に厳しい状況となるため、逆転残留を勝ち取るためには、この一戦で是が非でも白星を手にしたいところ。そんな重要な一戦で、持ち前の勝負強さを発揮して見せたのが日本代表FW浅野拓磨だ。

3月末に行われた第26節フランクフルト戦を最後に、2ヶ月近くゴールから遠ざかっていた浅野。ただ、同節以降も連続出場を続けていることからもわかる通り、調子自体は決して悪くない。ここまで2ゴール1アシストと数字こそ残せていないが、監督からの信頼は厚く、この一戦でも右ウイングとしてスタメンに名を連ねている。
開始早々の8分にレヴァークーゼンが退場者を出したことで、試合のほとんどの時間を数的優位の状況で進めることとなったボーフム。すると19分、右サイドの深い位置まで侵入した浅野が、ゴール前へ走り込んだフィリップ・フェルスターへ弧を描くボールでクロスを送る。このピンポイントクロスをフェルスターが合わせ、幸先よく先制に成功した。

さらに34分には、左CKに対してファーサイドへやや遅れ気味に入ってきた浅野が豪快にネットを揺らし、リードを2点に広げた。その後、ボーフムは試合終了間際にダメ押しとなる3点目を追加。浅野の1ゴール1アシストの活躍もあり、レヴァークーゼンを相手に3-0の快勝を収めた。他会場で同時刻に行われていた試合で、15位シュツットガルトがドローに終わり、14位アウクスブルクと17位シャルケが敗れたため、ボーフムは16位から14位まで浮上し、逆転残留を勝ち取っている。

これまで日本代表の窮地をいく度となく救ってきた浅野が、その異次元の勝負強さで今度は所属クラブであるボーフムの窮地を救った。選手たちにとっても、サポーターにとっても、非常に厳しいシーズンであったことは間違いないだろうが、このサムライによって彼らの笑顔を少しだけ取り戻せたのではないか。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.291 究極・三つ巴戦線

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ