248日間も首位に立ちながら、最後の最後でマンチェスター・シティにプレミアリーグのタイトルを奪われたアーセナル。収穫の多いシーズンではあったが、やはりシティは強い。来季のプレミア制覇へまだまだ改善が必要だ。
シティとの差を分けた一つの要因が選手層だ。多くのゲームでスタメンを固定してきた影響か、終盤のアーセナルはややガス欠してしまったところがある。
英『Daily Mirror』は早くも『来季のアーセナルでキーマンになり得る6人』と題した特集を組んでいるが、ここでもバックアッパーの6人が取り上げられている。
その1人がDF冨安健洋だ。日本のファンとしてはスタメンを確保してほしいところだが、今季の冨安は後半の守備固めに起用されることも多かった。本職のセンターバックに加え、サイドバックも両サイドこなせる。残念だったのは怪我の多さで、アーセナル加入以降の稼働率には課題がある。アーセナルにとって必要な戦力であることは間違いなく、冨安がフルシーズン戦うこともプレミア制覇へのポイントと言えよう。
さらに最終ラインでは、終盤戦に存在感を増し始めたDFヤクブ・キヴィオル、ジンチェンコに代わる選択肢となるレフトバックのキーラン・ティアニー、昨季の終盤戦でチェルシー、マンチェスター・ユナイテッド相手にハイパフォーマンスを見せながら、今季は怪我でシーズンを棒に振ったMFモハメド・エルネニー。
2列目の負担を軽減する存在として、昨季リーグ戦10ゴールを挙げたMFエミール・スミス・ロウ、昨夏獲得したファビオ・ヴィエイラの名前も挙げられている。
ティアニーは去就が不透明だが、ジンチェンコは守備面に不安もある。ジンチェンコ・ロールは貴重だが、ジンチェンコ以外の選択肢も必要だ。
エルネニーはクラブとの契約を2024年まで残しており、アーセナルはボランチの層が薄い。守備要員としては計算できる選手であり、クラブ愛も強い。緊急時に欲しい選手だ。
またグラニト・ジャカが退団するならば、昨夏FCポルトから獲得したヴィエイラの奮闘にも期待したいところ。中盤は今夏も即戦力の獲得に動くだろうが、既存戦力の頑張りも重要だ。頼れる選手は多ければ多い方がいい。
スミス・ロウも完全復活に期待がかかり、ガブリエウ・マルティネッリやマルティン・ウーデゴーと競ってほしい実力者だ。
今のシティに長期のリーグ戦で勝つには、総力戦しかない。指揮官ミケル・アルテタの下でベースは出来ているだけに、来季へスカッドを拡大できるかがカギだ。