もっとも嫌われ、もっとも愛された男ジャカがアーセナル退団へ 険悪だったサポーターとの仲もすっかり回復

今季は新境地を開拓したジャカ photo/Getty Images

レヴァークーゼンと4年契約か

アーセナルMFグラニト・ジャカは、今季終了とともに退団するようだ。複数の英メディアが伝えている。

ジャカはアーセナルとの契約を1年残しているが、ブンデスリーガのレヴァークーゼンへ4年契約で移籍する見込みだという。アーセナルは中盤の新戦力としてウェストハムのデクラン・ライス、ブライトンのモイセス・カイセドなどへの興味を示しており、また既存戦力のエミール・スミス・ロウを中盤セントラルの位置で起用すべく鍛え直しているとの情報もある。残念ながら、来季ジャカの居場所はチームにはないようだ。

今季、ジャカはミケル・アルテタのチーム改造に適応し、やや高めのポジションで新境地を開拓した。後方でパスをさばくことを得意としていたジャカは、ゴール前で危険なアタッカーに変貌し、45試合に出場して7ゴールを記録する。しかし今季、優勝が期待されたチームは結局無冠に終わることが濃厚で、アーセナルにはさらなるスカッドの強化が求められている。『Telegraph』は、今季のジャカの存在の大きさを強調した。
「彼にとって最高のシーズンとなったが、自身を変えられることを見せた一方で、残念ながら時間の法則は変えられなかった」

「彼の退団はリーダーシップや経験のところで、大きな穴となる。プレミアリーグで先発しなかったのがたった2試合という選手を失うのは大きい。アーセナルは彼を入れ替え、アップグレードする必要がある。そうすれば、これが正しいタイミングだったと思うことができるだろう」

エミレーツ・スタジアム近くの建物の壁に描かれたジャカのペイント photo/Ryo Maeda

今季はサポーターからも熱く支持された

若い選手が多いいまのアーセナルにおいて、ジャカのリーダーシップは貴重だった。しかし激昂しやすく、ときにそれがチームへの不利益となって降り掛かった。サポーターと険悪な関係となり、キャプテンを降ろされただけでなく退団寸前までいったこともある。

サポーターは彼に対して愛憎入り交じった複雑な感情を抱いているはずだが、少なくとも今季のジャカがチームにとって重要な存在だったことに異論を挟むものは少ないだろう。昨年10月にロンドンを訪れたとき、エミレーツ・スタジアムのグッズショップ「THE ARMORY」のスタッフは、今季はジャカのシャツがとても人気があると話していた。ブカヨ・サカ、マルティン・ウーデゴーといった若きスターたちに混じって、ジャカのシャツはとてもよく売れるのだそうだ。またエミレーツ・スタジアム近くの建物の壁にはジャカのペイントが残されたものがあり、これらはジャカとサポーターとの絆が回復していることを示していた。だからこそ、今回の退団は特別な寂しさをもたらすだろう。

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