3月のインターナショナルマッチ・ウィークが終わり、欧州サッカーはいよいよ終盤戦に突入。どのチームもそれぞれの目標に向かって、最後まで諦めずに戦うことになる。
そんななか、プレミアリーグで降格の危機に瀕しているのがサウサンプトンだ。2012-13シーズン以降はプレミアで戦い続けている同クラブだが、現在の順位は最下位(20位)。12位クリスタル・パレスとの勝ち点差が7という団子状態ではあるが、このままでは降格の憂き目に遭ってしまう。
サウサンプトンのプレミア残留に向け、キーマンとなりそうな選手がいる。34歳のFWテオ・ウォルコットだ。サウサンプトンの下部組織で育ったウォルコットは、持ち前の快速を活かしてアーセナルで頭角を現し、イングランド代表としても47試合に出場。2018年1月にアーセナルを離れると、エヴァートンへ移籍し、2020年からは古巣サウサンプトンに戻ってプレイしている。
サウサンプトン復帰1年目となる2020-21シーズンはリーグ戦21試合に出場したウォルコットだったが、昨季はリーグ戦9試合の出場に留まり、プレイタイムは379分だった。今季もシーズン前半戦の出場はリーグ戦3試合のみだったが、指揮官がルベン・セレス監督に代わった2月から大きく流れが変わっている。
セレス監督は指揮をとった直近7試合全てでウォルコットを起用しており、うち3試合ではスタメンに抜擢。特筆すべきは先月18日のトッテナム戦で、2トップの一角として先発出場したウォルコットは1ゴール1アシストの活躍を披露。貴重な勝ち点1ゲットに大きく貢献した。
英『Football 365』によると、セレス監督はウォルコットの知性を高く評価しているようで、彼が残したこのようなコメントが取り上げられている。
「彼が関係についてのノウハウを蓄えていることは明らかだ。“誰かの友達”という関係についてではなく、サッカーにおける関係についてだ。たとえば右側にいる選手や左側にいる選手、相手の選手の動きを理解しているということだ」
「第二に、彼は我々が用いている10番のポジションのノウハウも有している。このシステムにおけるプレスのかけ方を理解している選手なんだ。トリガー(プレスにいくきっかけ)もシャドウ(相手のパスコースを消す守備)も、前線からのカウンターのやり方も知っている、ポゼッションも理解している。それが彼の最も優れているところだ」
全盛期はスピードを武器とするウインガーだったが、これまで培ってきた経験を活かして新境地を開拓しているウォルコット。年齢を考えるとフル稼働は難しいのかもしれないが、サウサンプトンを残留に導く活躍に期待だ(データは『FBREF』より)。