[W杯マッチ55]120分の死闘を制したモロッコ、史上初のベスト8へ! 全員失敗のスペインはまたもPK戦で散る

PK戦の末に勝ち上がったモロッコ photo/Getty Images

試合はスコアレスで進んでいく

MATCH 55 決勝トーナメント1回戦 
2022年12月6日 18:00キックオフ(会場:エデュケーション・シティ・スタジアム)
モロッコ 0-0 (PK3-0)スペイン

日本に敗戦を喫して2位でグループステージを突破したスペインと、ベルギーに勝利するなど首位で16強入りを果たしたモロッコ。ジブラルタル海峡を挟んだ隣国は、互いに状況が異なる一戦となっていた。

それでも序盤に主導権を握ったのはスペインだ。持ち味のポゼッションで試合を優位に進め、相手の守備網を崩しにかかる。しかし、勢いや会場の雰囲気も相まってモロッコはスペインの攻勢にも屈せずに、20分過ぎからはモロッコがペースを握る時間も増えていく。

それでも25分にはスペインに決定機。モロッコのビルドアップをカットして、ペナルティーエリア中央にいたF・トーレスが落としてガビがシュートを狙うも、DFがブロックしてクロスバーに直撃する。こぼれ球をF・トーレスが詰めるものの、決め切ることはできず。ただ、このシーンはF・トーレスにオフサイドの判定が下る。

モロッコも右サイドのハキミ、左サイドのブファルを中心に左右からチャンスを作る。42分にはハキミのクロスのこぼれ球を拾ったブファルが中央へとボールを供給。最後はアゲルドがヘディングで狙うも、ゴール上に外れてしまう。

徐々に疲労をのぞかせたモロッコに対してスペインが猛攻を仕掛ける。55分にはFKのチャンスでダニ・オルモがシュートを放つも、GKブヌが好セーブ。63分にはモラタを投入してクロスからの攻撃も増やすスペインは、両サイドから得点機を狙っていく。80分には途中出場のウィリアムズが右サイドから縦に仕掛けてペナルティーエリア内へとクロスを供給。モラタとオルモが中で反応したものの、合わせることができず。モロッコは選手交代を行いながら、右サイドバックのハキミから好機を作るなど、カウンターから一発を狙う。

89分には相手の裏を突いたモラタから、最後はウィリアムズがフィニッシュするもモロッコ守備陣が決死のブロック。後半アディショナルタイムにはFKから流れたボールもブヌが好守を見せ、スペインはゴールを決め切れず。試合は延長戦へと突入する。

スペインのキックをストップしたブヌ photo/Getty Images

PK戦でもブヌが好セーブを連発

延長もボールを保持するスペインと持たせるモロッコの構図は変わらない。両サイドからスペインが好機を伺うものの、チャンスにつなげることはできず。するとモロッコもペナルティーエリアに進入する時間が増加。104分にはウナヒが中央からドリブルで突破し、シェディラへスルーパスを送る。タイミングよく抜け出してシュートを放つも、GKシモンが好セーブ。

ピンチを防いだスペインはブーイングを受けながら攻める展開が続く。延長後半アディショナルタイムには、途中出場のサラビアがモロッコゴールを脅かす。右サイドから突破してクロスを上げるも、相手DFにクリアされる。さらに左サイドからのクロスにファーサイドでフリーとなったサラビアが反応。シュートを放つもののボールは無情にもポストに直撃してしまう。120分では決着つかず。スコアレスドローのままPK戦へともつれる。

モロッコのキック時に静まり、スペインのキック時には大ブーイングが響く場内。異様な雰囲気に包まれたPK戦で、優位に立ったのはやはりモロッコだった。2人目まで確実に決め切ったモロッコに対し、スペインは2人とも失敗。モロッコ3人目はGKシモンの好セーブに遭ったが、スペイン3人目となるブスケッツのキックもGKブヌが完璧に防ぐ。

モロッコが成功すればベスト8進出が決まる4人目に指名されたのはハキミ。キックはシモンを嘲笑うかのようなチップキックを見せ、モロッコが3-0と番狂わせを起こす。

スペインはロシアにPK戦の末に敗れた前回大会を払拭できず。アウェイのような雰囲気に飲まれてしまった若きスペインは、またも伏兵にPK戦で敗れカタールの地を去ることになる。史上初のベスト8進出を果たしたモロッコは、グループステージの快進撃を決勝トーナメントでも見せる好ゲームとなった。

またもPK戦で敗れたスペイン photo/Getty Images

[スコア]
モロッコ 0-0(PK3-0) スペイン

[得点者]
なし

[ポゼッション]
モロッコ 20% スペイン 63% 中立 17%

[シュート数]
モロッコ 6 スペイン 14

[枠内シュート]
モロッコ 3 スペイン 2

[イエローカード]
モロッコ 1枚
ロマン・サイス

スペイン 1枚
アイメリク・ラポルト

モロッコ
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : ワリド・レグラギ

GK
ヤシン・ブヌ(セビージャ/スペイン)

DF
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ヌサイル・マズラウィ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
ナイェフ・アゲルド(ウェストハム/イングランド)
ロマン・サイス(ベシクタシュ/トルコ)

MF
ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/イタリア)
アゼディン・ウナヒ(アンジェ/フランス)
セリム・アマラー(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

FW
ハキム・ツィエク(チェルシー/イングランド)
ソフィアン・ブファル(アンジェ/フランス)
ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ/スペイン)

交代出場
66分 ソフィアン・ブファル→アブデ・エザルズリ(オサスナ/スペイン)
82分 ユセフ・エン・ネシリ→ アブデルハミド・サビリ(サンプドリア/イタリア)
82分 セリム・アマラー→ワリド・シェディラ(バリ/イタリア)
82分 ヌサイル・マズラウィ→ヤヒヤ・アティヤットアラー(ウィダードカサブランカ)
84分 ナイーフ・アゲルド→ ジャワド・エルヤミク(バジャドリード/スペイン)



スペイン
フォーメーション:[4-3-3]

監督:ルイス・エンリケ

GK
ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)

DF
マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード)
アイメリク・ラポルト(マンチェスター・シティ/イングランド)
ジョルディ・アルバ(バルセロナ)
ロドリ(マンチェスター・シティ/イングランド)

MF
セルヒオ・ブスケッツ(バルセロナ)
ガビ(バルセロナ)
ペドリ(バルセロナ)

FW
マルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)
フェラン・トーレス(バルセロナ)
ダニ・オルモ(ライプツィヒ/ドイツ)


交代出場
63分 マルコ・アセンシオ→ アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)
63分 ガビ→カルロス・ソレール(パリ・サンジェルマン/フランス)
75分 フェラン・トーレス→ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)
98分 ダニ・オルモ→アンス・ファティ(バルセロナ)
98分 ジョルディ・アルバ→アレハンドロ・バルデ(バルセロナ)

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