[W杯マッチ26]ハリル解任のモロッコが”24年ぶりW杯白星”で大躍進 ベルギーは前評判通り低調な仕上がり

モロッコの怖さのあるFKが何度もベルギーゴールを守るクルトワを襲った photo/Getty images

ベルギーには以前のような怖さがない

MATCH 26 グループF 第2節 2022年11月27日 16:00キックオフ(会場:アル・トゥママ・スタジアム)
ベルギー 0-2 モロッコ

勝てば決勝トーナメント進出が決まるベルギーと初戦クロアチアに引き分けたモロッコが第2節で対戦。モロッコのスタメン発表時の11人は初戦と同じメンバーだったが、いざ試合が始まってみると守護神としてピッチに立ったのはブヌではなく、エルカジュイがゴールマウスを守った。モロッコの国歌斉唱時もブヌがピッチ上にいたが、何かアクシデントがあったようだ。

前半に試合を支配したのはベルギーだった。デ・ブライネを中心にモロッコゴールを攻め立てる。どのチャンスもデ・ブライネを経由しており、11分には自らの突破でFKを獲得する。33分には視野の広さも光っており、右サイドのムニエにパスを出し、ベルギーはチャンスを迎えた。
ベルギーはこのデ・ブライネとは別に脅威になれる選手が欲しい。エデン・アザールはいいプレイを見せる場面もあったが、デ・ブライネには及ばず。最前線のバチュアイも初戦こそゴールを挙げたが、この試合はパッとせず、後半からルカクが出てくることも想定された。

モロッコはベルギーに攻められる展開になるも、急遽先発になったエルカジュイを中心にベルギーの攻撃を跳ね返す。初戦クロアチア戦と同じで、ハキミ、ツィエクのいる右サイドが相手の脅威となる。

前半の終盤にはツィエクのFKからクルトワの守るゴールを破ることに成功する。高精度のキックが光っており、貴重なリードを得た。しかし主審はオンフィールドレビューで得点シーンを確認。最終的にオフサイドの判定となり、モロッコのゴールが取り消しとなって0-0で試合を折り返す。

ベルギーはデ・ブライネ次第だがこの日は不発に photo/Getty images

デ・ブライネ頼りの攻撃ではモロッコの堅守崩せず

後半は打って変わってモロッコがベルギーを脅かす回数が増える。右サイドのハキミ、ツィエクだけでなく57分にはブファルが左サイドから中央にカットインして素晴らしいシュートを放つ。ボールはゴール右にそれたが、モロッコは単独で打開できる選手が左でも存在感を発揮し、ベルギーは守備で的を絞ることができない。

すると73分にスコアが動く。リードを得たのは後半勢いに乗るモロッコだった。左サイドの深い位置でFKを獲得すると、キッカーのアブデルハミド・サビリがニアサイドに強烈なシュートを放つ。不意を突かれたのかクルトワの反応が鈍く、ベルギーのゴールネットが揺れる。取り消されたが前半もモロッコがFKからベルギーのゴールを破っており、モロッコのFKは今後、他チームから警戒されることになるだろう。

負けられないベルギーはデ・ケテラエル、トロサール、ルカクと次々にアタッカーを投入するが、次にゴールを挙げたのは、またもモロッコだった。後半アディショナルタイムにモロッコがカウンターからベルギーにとどめを刺す一点を決める。アシストしたのはワリド・レグラギ体制となってチームに戻ってきたツィエクであり、エースが貴重な決勝点をお膳立てした。

ベルギーの負けは波乱と今後伝えられるだろうが、前評判通りともいえる。そもそも勝利したカナダ戦でも危ないシーンが多く、勝ち点を落としていた可能性もある。攻撃はデ・ブライネ頼りで、E・アザールもルカクも怖さがない。最終ラインは未だアルデルヴァイレルト、フェルトンゲンが健在と世代交代できておらず、スピード不足が顕著に現れていた。次節はグループF最大のライバル、クロアチアとの対戦であり、次に進むには勝ち点3が必要だ。

モロッコは初戦クロアチアと引き分け、2戦目ではベルギーを倒すダークホースとして存在感を強めている。2試合連続クリーンシートを達成しており、急遽先発となったエルカジュイは堅実なプレイを見せて勝利に貢献した。ツィエク、ハキミとエース級以外の選手が目立っており、総合力の高さはより評価されるべきポイントだといえる。モロッコのW杯での勝利は1998年のFIFAワールドカップ・フランス大会以来となる。当時スコットランドに0-3で快勝したが、そこから長くW杯出場を逃しており、前回のロシア大会では出場こそしたが、1分2敗と勝てなかった。この勝利は歴史的なものであり、決勝トーナメントに進出すれば1986年以来の快挙だ。

ダークホースのモロッコが今後躍進することになる photo/Getty images

[スコア]
ベルギー 0-2 モロッコ

[得点者]
モロッコ
73分 アブデルハミド・サビリ
90分+2 ザカリア・アブクラル

[ポゼッション]
ベルギー 55% モロッコ 32% 中立13%

[シュート数]
ベルギー 10 モロッコ 11

[枠内シュート]
ベルギー 4 モロッコ 4

[イエローカード]
ベルギー 1枚
アマドゥ・オナナ

モロッコ 1枚
アブデルハミド・サビリ

[ラインナップ]
ベルギー
フォーメーション : [3-4-3]

監督 : ロベルト・マルティネス

GK
ティボー・クルトワ(レアル・マドリード/スペイン)

DF
トビー・アルデルヴァイレルト(アントワープ)
ヤン・フェルトンゲン(アンデルレヒト)
ティモシー・カスターニュ(レスター/イングランド)

MF
アクセル・ヴィツェル(アトレティコ・マドリード/スペイン)
トーマス・ムニエ(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
トルガン・アザール(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
アマドゥ・オナナ(エヴァートン/イングランド)

FW
ケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ/イングランド)
エデン・アザール(レアル・マドリード/スペイン)
ミシー・バチュアイ(フェネルバフチェ/トルコ)

交代出場
60分 アマドゥ・オナナ→ユーリ・ティーレマンス(レスター/イングランド)
60分 エデン・アザール→ドリース・メルテンス(トルコ/ガラタサライ)
75分 ミシー・バチュアイ→チャールズ・デ・ケテラエル(ミラン/イタリア)
75分 トルガン・アザール→レアンドロ・トロサール(ブライトン/イングランド)
81分 トーマス・ムニエ→ロメル・ルカク(インテル/イタリア)

モロッコ
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : ワリド・レグラギ

GK
ムニル・エルカジュイ(アルワフダ/サウジアラビア)

DF
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ヌサイル・マズラウィ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
ナイェフ・アゲルド(ウェストハム/イングランド)
ロマン・サイス(ベシクタシュ/トルコ)

MF
ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/イタリア)
アゼディン・ウナヒ(アンジェ/フランス)
セリム・アマラー(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

FW
ハキム・ツィエク(チェルシー/イングランド)
ソフィアン・ブファル(アンジェ/フランス)
ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ/スペイン

交代出場
68分 セリム・アマラー→アブデルハミド・サビリ(サンプドリア/イタリア)
68分 アクラフ・ハキミ→ヤヒア・アティヤトアラー(ウィダード)
73分 ソフィアン・ブファル→ザカリア・アブクラル(トゥールーズ/フランス)
73分 ユセフ・エン・ネシリ→アブデルラザク・ハムダラー(アルイテハド/サウジアラビア)
78分 アゼディン・ウナヒ→ジャワド・エルヤミク(バジャドリード/スペイン)

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