ミランの魂に火をつけていたトリノ戦の敗北 9季ぶりのCL決勝T進出を決めたザルツブルク戦の裏側

トリノ戦の敗戦がザルツブルク戦の勝利に繋がった photo/Getty Images

チェルシー相手に2連敗を喫しながら、グループステージ突破を果たしたミラン

3日に行われたレッドブル・ザルツブルクとの一戦を4-0で制し、9シーズンぶりのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を決めたミラン。この試合を語る上で、先月31日に行われたトリノ戦の敗北を避けては通れないようだ。
 
FWオリヴィエ・ジルーの2ゴール2アシストの活躍などもあり、強敵ザルツブルクに完勝したミラン。引き分け以上でCL決勝トーナメント進出という状況だったが、ここで彼らは文句なしの結果を残した。
 
その一方、セリエAの戦いではナポリ、アタランタの後塵を拝しており、リーグ戦順位は現在3位。直近のトリノ戦を2-1で落としたことにより、首位ナポリとの勝ち点差は6に広がっている。
 
このトリノ戦の敗因としては、ザルツブルク戦を見据えてローテーションを行ったことが挙げられる。特に前線で起点を作りながらゴールも奪えるジルーや、配球役のメインであるMFイスマエル・ベナセルをベンチスタートにした影響は大きく、試合の流れを掴みきれないまま相手に2点のリードを許す展開となってしまった。
 
しかし、前述の通りジルーはその後のザルツブルク戦で大活躍を見せており、ベナセルも中盤で精力的なプレイを見せた。トリノ戦、ザルツブルク戦の両方で勝利を収めることができていれば理想的だったが、結果的にトリノ戦を捨ててでもローテーションを行うだけの価値はあったと言えるだろう。
 
また、伊『CalcioMercato』によれば、トリノ戦の収穫はローテーションだけではなかったようで、DFテオ・エルナンデスがザルツブルク戦の後にこのようなコメントを残している。
 
「トリノでの悪いパフォーマンスの後、僕たちは素晴らしい試合をした。あれの(トリノ戦)おかげで良いトレーニングができたし、この試合で良いプレイを見せることができたんだ」
 
期せずしてチームの魂にも火をつけていたトリノ戦の敗北。ザルツブルク戦で負けていたら取り返しがつかなかったが、リーグ戦はまだまだ先が長く、ここで失った勝ち点3は十分に取り返すことができるはず。シーズン終了後にこの敗戦が問題なかったと言えるよう、これ以降は勝ち点の取りこぼしを避け、リーグ2連覇に向けて邁進したいところだ。

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