今日本で“最もゴールを奪うストライカー”がカタールへの希望絶たれる 古橋の落選はなぜ起きた?

古橋亨梧はカタール行きの切符掴めず photo/Getty images

今季10点に関与するFWが選外に

11月下旬に開催されるワールドカップ・カタール大会に臨む26人のサムライブルーが日本サッカー協会から発表された。驚きだったのはセルティックの古橋亨梧落選だろう。

Jリーグではヴィッセル神戸で名を揚げ、2021年からセルティックでプレイする古橋。指揮官は元横浜F・マリノス監督のアンジェ・ポステコグルーということもあって日本人に馴染みのあるコーチであり、古橋は継続して起用されている。

今季もゴールを量産しており、16試合で9ゴール1アシストを記録。日本代表ではフランクフルトで19試合11ゴール3アシストの数字を残す鎌田大地に次ぐ好成績であり、センターフォワードであれば上田綺世(15試合5ゴール)、前田大然(18試合3ゴール4アシスト)、浅野拓磨(7試合1ゴール)を凌ぐ数字だ。
クラブでの数字だけを見れば古橋がNo1ストライカーなのだが、代表となると話が変わってくる。

森保ジャパンのCFにはそれぞれ役割がある。まず前田はより守備に特化した守備的CFで、勝利したアメリカ戦では快足を生かしたハイプレスが効果的だった。ゴールに背を向けた状態で行うポストプレイもできており、前田は得点よりもその他の貢献に期待されている。

上田はその強靭なフィジカルを買われたと予想できる。182cmとそれほど大きな選手ではないが、滞空時間の長いジャンプ力を武器に空中戦で強さを発揮でき、前線でボールを収めることもできる。ベルギーでは徐々にチームに適応しており、得点数も伸ばしている。前田が守備的とすれば上田は攻撃的な選択肢となる。

古橋は上記のどちらにも属することはできず、そうなると必然的に残り1枠にかけるしかない。今回残りの1枠で選ばれた浅野は、今季クラブでのゴール数はわずかに1、しかも直近は負傷で離脱中とコンディション面での不安もあるが、古橋を唯一上回っていた点は、代表での貢献だ。アジア最終予選ホームのオーストラリア戦では貴重な追加点獲得に貢献しており、日本の予選突破に貢献している。そういった実績を森保監督は重視したといえる。

古橋の能力の高さには疑いがなく、環境が違えば間違いなくカタールに行けた人材だ。しかし代表で古橋が試された場面では彼にボールは回ってこず、アピールすることができなかった。大枠のストライカーの中では最もゴールを奪っていた選手だけに、森保監督としては難しい決断になったに違いない。

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