B・フェルナンデスとファン・デ・ベークを横に並べたマンU アンカー役のフレッジが見せた輝き
可能性を見せたフレッジのアンカー photo/Getty Images
今回は[4-3-3]を用いたテン・ハーグ
エリック・テン・ハーグ新監督の下、チームの再構築を図っているマンチェスター・ユナイテッド。23日にはアストン・ヴィラとプレシーズンマッチを行い、2-2の引き分けという結果に終わっているが、ブラジル代表MFフレッジのパフォーマンスが光った試合でもあった。
マンUはここまで4試合のプレシーズンマッチをこなしているが、テン・ハーグ監督の指導の甲斐あってか、見違えるようなサッカーを見せている。その中でもフレッジは全試合にスタメンで起用されており、守備的MFとしてかなり序列が高いことが窺える。
前回までは、MFスコット・マクトミネイと[4-2-3-1]のダブルボランチを担っていたフレッジだが、今回のアストン・ヴィラ戦はマクトミネイがメンバー外となり、フレッジが[4-3-3]のアンカーを務めた。
これにより、MFブルーノ・フェルナンデスとMFドニー・ファン・デ・ベークがインサイドハーフとして横に並んだ。ファン・デ・ベークは前回のクリスタル・パレス戦で後半からボランチとして起用されたが、1列前に上がる形となっている。
この布陣では、どこまでフレッジがアンカーとして機能するのか注目だったが、彼は攻守において躍動。守備ではしっかりとフィルター役をこなし、攻撃ではビルドアップの中心として、時には前線に鋭い縦パスを入れることもあった。
それを象徴するシーンがマンUの2ゴール目が決まった25分のシーン。フレッジが自陣内の低い位置から相手ディフェンスラインの裏へロングボールを送ると、FWジェイドン・サンチョがこれに反応。サンチョは中央にいたFWマーカス・ラッシュフォードへクロスを送り、相手のオウンゴールを誘発した。
しかし、フレッジのパフォーマンスが完璧だったかと言われればそうとも言い切れない。47分には、自陣内でボールを持ったフレッジが相手FWにボールを奪われ、そのままシュートまで持ち込まれてしまうという危険なシーンもあった。
特に後半はメンバーを入れ替えたアストン・ヴィラが攻勢となり、チーム全体として前半ほどのパフォーマンスを見せることができなかった。格下相手ならフレッジのアンカーも問題ないかもしれないが、強豪相手にどこまで通用するかはまだ未知数だ。
しかし、もしこれが成立するなら、フェルナンデスとファン・デ・ベークのコンビだけでなく、新加入のMFクリスティアン・エリクセンとフェルナンデスをインサイドハーフで横に並べることもできる。このように現在マンUの2列目には中央の選手が揃っていることもあり、なんとかアンカーの務まる選手を見つけたいところ。今回のフレッジのパフォーマンスは、今後も試してみるだけの可能性を見せたと言えるだろう。