10人の売却で約1億8000万ポンドの売却益? シティが“放出の夏”となっている理由

マンチェスター・シティを指揮するジョゼップ・グアルディオラ photo/Getty images

人員整理が進んでいる

今夏の移籍市場では獲得だけでなく選手の売却も進んでいるマンチェスター・シティ。

トップチームではラヒーム・スターリング、ガブリエウ・ジェズス、ローン組ではペドロ・ポッロと板倉滉、若手ではギャヴィン・バズヌ、ロメオ・ラヴィア、ダーコ・ギャビ、イーガン・ライリーを手放している。オレクサンドル・ジンチェンコやサミュエル・エドジーなど移籍は濃厚だが正式な発表がまだ行われていない選手を含めると、10選手を今夏に売却することになる。ジンチェンコ、エドジーに関しては報じられている予想額になるが、10選手で約1億8000万ポンドの利益が生まれることになる。絶対的な選手以外でこれだけの利益を作れるのは驚きだ。

今夏の移籍金での支出はアーリング・ハーランドの5100万ポンドとカルヴィン・フィリップスの4200万ポンド合わせて9300万ポンドになる。獲得が噂されるマルク・ククレジャを5000万ポンドで獲得しても、1億4300万ポンドであり、これでもまだプラスになると予想される。
なぜここまでシティは選手を売却しているのか。シティは選手を積極的に放出するクラブではなく、トップチームでいえば昨季はフェラン・トーレスしか売却していない。

考えられる一つの答えは偶然選手の売却が重なっただけの可能性がある。トップチームではスターリングもジェズスもジンチェンコも戦力外ではない。だが絶対的な選手でもなく、スターリングとジェズスは出場機会を求めた。シティは選手の意思を尊重するクラブであり、要求額を満たせる買い手いれば放出は容認している。それにチェルシーとアーセナルが同時に手を挙げたのだ。スターリングとジェズスは契約が残り1年であり、ハーランドとフリアン・アルバレスで代役は務まるとジョゼップ・グアルディオラが考えたのだろう。

そしてもう一つの案としては、今後大型補強を見据えているのかもしれない。選手寿命が延びているとはいえカイル・ウォーカー(32)やケビン・デ・ブライネ(31)は30代に突入している。さらにベルナルド・シウバも今後長くチームにいられる保証はなく、彼らの代役となれるハイクオリティな選手は多額の移籍金が必要になる。インサイドハーフの補強としてボルシア・ドルトムントのジュード・ベリンガムを狙っているとの報道もあり、資金をためているのだろう。また今年の11月にはワールドカップ・カタール大会がある。そこで活躍した選手を獲得する可能性もあり、シティの今夏は使うよりも貯める移籍市場になるといえる。

スカッドのスリム化が目立つシティ。スターリングとジェズスの前線を支えた選手の売却は不安要素になると考えられるが、プレミア3連覇、CL初制覇を達成することができるのだろうか。

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