アルゼンチンまで撃破してW杯ベスト8の快進撃 ハジ、ラドチョウらルーマニア“最強世代”の記憶

W杯で躍動した当時のルーマニア代表 photo/Getty Images

今のチームにはハジの息子もいるが……

代表チームの強さを維持するのは簡単なことではない。過去に連続でワールドカップに出場しながら、今ではさっぱり予選を突破できないなんてチームもある。

例えば1990年代を代表する強豪国の1つルーマニア代表だ。

1990年のイタリア大会から3大会続けてワールドカップに出場したルーマニアは、1994年のアメリカ大会で同国最高となるベスト8へ進出。当時のFIFAランクは6位まで上がっている。
メンバーにはジェノアやチェルシーで活躍したDFダン・ペトレスク、ケルンやヴォルフスブルクでプレイし、同国史上最多となる134試合に出場したMFドリネル・ムンテアヌ、PSVなどで活躍し、代表通算115試合に出場したDFゲオルゲ・ポペスク、当時ミランに在籍していたFWフロリン・ラドチョウ、そしてルーマニアの英雄だったMFゲオルゲ・ハジら豪華な顔ぶれが揃っていた。

1994年大会ではベスト16であのアルゼンチンをも3-2で撃破しており、いかに当時のルーマニアが強かったかが分かる。

代表歴代出場数TOP10のほとんどが1990年代の代表選手たちで、ルーマニアにとっては特別な世代だった。それが21世紀に入ってからはワールドカップ出場がピタリと途絶え、今年のカタール大会に向けた欧州予選ではグループJの3位に終わってしまった。

このグループJはドイツが首位で突破し、2位にはプレイオフでイタリアを撃破するサプライズを演じた北マケドニア代表が入っている。北マケドニアもイタリアを撃破したとはいえ、決して強豪というわけではない。ルーマニアがその北マケドニアより下の順位でフィニッシュしてしまったのは残念でもある。

現在のチームにはゲオルゲ・ハジの息子ヤニス・ハジ(23歳/レンジャーズ)もいる。1990年代の再現をもう一度見せてほしいが、その夢はヤニス・ハジの世代で叶うのか。次の2026年大会からは出場国数が32から48に拡大する予定となっているため、そこが1つのチャンスにはなるだろう。

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