“支配率31%”のハンガリーがイングランドに4-0での快勝 W杯で主導権を握れない森保ジャパンが参考にすべき戦い方

イングランドを破ったハンガリー代表 photo/Getty images

ネーションズリーググループ3では1位になっている

現在開催されているUEFAネーションズリーグ。ここまで4試合が消化されているのだが、各グループで波乱が起こっている。リーグAのグループ1ではデンマークが首位で、フランスが4位の最下位に。同じくリーグAのグループ3ではイングランドが最下位となり、ワールドカップ・カタール大会に出場しないハンガリーが2勝1分1敗で首位に立っている。

そんなハンガリー代表は15日にイングランド代表と対戦。16分に先制点を奪うと、終盤の70分から89分の間で3ゴールを決めて最終的に4-0で快勝を収めた。クラブでのシーズンが終わった直後で選手間でのモチベーションやコンディションにバラつきがあるとはいえ、衝撃的な結果となった。ハンガリーは支配率が31%と低く、守備時の時間が多かった。それでも4ゴールを奪っており、W杯でスペイン代表やドイツ代表と戦う日本代表としては非常に参考になるゲームだ。

ハンガリーは[3-4-3]を基本としており、堅守速攻が彼らのスタイルだ。後方からの丁寧につなぐビルドアップはそれほど多くなく、ロングボールを前線に集めてボールを前進させる。前半は193cmあるFWアダム・サライがターゲットマンとなり、終盤は彼に代えて191cmあるFWアダム・マルティンがその役割を継続していた。攻撃はセットプレイやショートカウンターが多く、ボール保持でのリスクを最小限に減らしている。セットプレイでは工夫があった。ニアサイドに選手を集めることが多く、そこにボールを蹴り込むことでGKの視界をふさいでいる。日本代表もセットプレイにアクセントをつけており、短い時間で成熟させていきたい。

この攻撃は190cmを超える選手を中心に組まれており、参考にはできないが守備のやり方は学ぶべきものが多い。

前線のドミニク・ショボスライらアタッカー陣はイングランド代表のビルドアップにプレッシャーをかけており、自由に組み立てさせないことを意識している。ビルドアップの出口となるカルヴィン・フィリップスへのマークは激しく彼にボールが渡れば2人以上で囲むことが多い。サイドバックへのプレスも激しく、アンカーとサイドバックには自由を与えないことが鉄則だ。

前線の網を潜り抜けられることになれば5バックで自陣に引く。スペースをなくしてコースを消し、耐える守備だ。こちら側からは仕掛けず相手のミスを待つ。実際にイングランド代表はビハインドの焦りもあってか攻撃面でミスを連発しており、ハンガリーが自陣でボールを奪う場面は多かった。そこからはハンガリーの特徴で、ボールを奪って自陣で回すことなく敵陣に向かってボールを進める。ミスからの失点を嫌ってのことだろうが、その推進力は凄まじく、敵陣深い位置まで進みファウルを貰う場面があった。日本代表では伊東純也や三笘薫がドリブルを武器としており、彼らが敵陣深い位置までボールを進めて時間を稼ぎたい。

イングランド戦はこの繰り返しで、終盤に3ゴールを奪った。相手のミスもあったが、計4ゴールを奪っており、素晴らしい決定力の高さを見せた。守備ではネガティブトランジションが徹底されており、球際での強度はイングランドを凌ぐ。

ハンガリー代表はFIFAランキング41位で23位の日本よりも下に位置する国だ。5大リーグのトップクラブに所属しているのはライプツィヒのMFショボスライ、GKペーテル・グラーチ、DFヴィリ・オルバンくらいだ。日本代表の選手層と比較した際に飛びぬけて上のチームではなく、日本にもELを制した鎌田大地やリヴァプールの南野拓実、アーセナルの冨安健洋とトップの選手はいる。理解度と技術が高い選手であり、ハンガリー代表の真似とはいわないが、守備の対応は学ぶべきものは多いといえる。

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