今季のリヴァプールは本当に“史上最強”だったのか 3度の決勝進出も決勝戦での得点はゼロ

FAカップを制したリヴァプール photo/Getty Images

国内カップ2冠達成もCLは手にできず

4冠への可能性を秘めていた今季のリヴァプールは、最終的にカラバオカップとFAカップで優勝し、プレミアリーグ2位、UEFAチャンピオンズリーグは準優勝という結果に終わった。国内カップ2冠を達成するも、プレミアは勝点1差で優勝を逃し、CLでも圧倒的に試合を支配しながら1点を奪えずにレアル・マドリードに敗れてしまう。

今季のリヴァプールは、すべての大会で決勝の舞台に立つなど、他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せていた。最終ラインには昨季怪我に悩まされたフィルジル・ファン・ダイクを中心にジョエル・マティプとイブラヒマ・コナテが安定した守備を披露。両サイドバックは今季も2人揃って二桁アシストを記録し、中盤でもチアゴ・アルカンタラやナビ・ケイタがようやく自身のパフォーマンスを発揮するなど、昨シーズンからさらに強度を増したチームが欧州で輝きを放った。

特に前線は代表的なフロントスリーに加え、ディオゴ・ジョタ、ルイス・ディアスといった昨季以降に加入した新戦力が大きく台頭。国内カップでは、南野拓実やディボック・オリギも結果を出し、サディオ・マネがセンターFWとしてのポテンシャルを見せるなど、攻撃面でも進化を見せたシーズンだった。

最前線からのプレッシングを基本として、チアゴを中心にボールポゼッションを高めるスタイルが順応すると、サイドから崩し切ってゴールを奪う形が増加。1点をリードした状況下では、同点を奪いに前がかりになった相手に対し、従来の縦に早いカウンターを発動して追加点を奪う試合巧者ぶりは、プレミアリーグだけでなく欧州でも抜きん出ていた。国内カップは全勝し、UEFAチャンピオンズリーグとプレミアリーグはそれぞれ2敗。全63試合を戦いわずか4敗しかしなかった今季のチームには、クラブのレジェンドであり現アストン・ヴィラの監督であるスティーブン・ジェラードに、リヴァプールとの対戦前のインタビューで「今季のチームが歴代史上最強だ」と言わせるほどだった。

レアルに敗れて涙を見せるファン・ダイク photo/Getty Images

決勝で得点を奪うことができず

しかしCL決勝では、レアルを圧倒しながら0-1と惜敗。再三チャンスを作りながらティボー・クルトワの壁を破ることができなかった。破壊力抜群な攻撃陣を揃えカラバオ、FA、CLと3つの大会でファイナルの舞台に立ちながら、リヴァプールが3つの決勝戦で奪ったゴールは「0」。チェルシーとの2つの決勝戦では、120分を守り切ってスコアレスドローでのPK戦で優勝カップを手にすることができたが、カルロ・アンチェロッティ監督率いるレアルには、一瞬の隙を突かれて失点を許し、最後まで取り返すことができなかった。

史上最強と言われた今季だったが、決勝戦でゴールネットを揺らすことのできる勝負強さは備わっていなかった。対してCLを制覇したレアルはパリ・サンジェルマン、チェルシー、シティと、どこを相手にしても自らの勝負強さを発揮して打ち破り、決勝の舞台まで上り詰めてきた。リヴァプール戦でも20本以上のシュートを打たれながら耐え抜き、90分の中で唯一の枠内シュートをゴールに結びつけた。

今季史上最強と謳われながらリヴァプールがビッグイヤーを手にすることができなかった最大の要因は、決勝の舞台で発揮できなかった勝者のメンタリティーだろう。チェルシー、レアルとの330分で一度もゴールを奪えなかった事実は、今後さらなるタイトル獲得を目指すうえで重要な課題となってくる。今季を上回るシーズンに期待がかかる来季、勝負強さは大きなカギとなるだろう。

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