首位マンチェスター・シティを勝ち点差1で追うプレミアリーグは残り4試合でどうなるか分からないが、現在のリヴァプールは自分たちの手で3冠を手繰り寄せられる状況は作っている。チャンピオンズリーグでは準決勝でビジャレアルを撃破し、次は28日にレアル・マドリードとのファイナルだ。
その約2週間前となる14日には、FA杯決勝でチェルシーと対戦することになっており、リヴァプールはすでにEFL杯は制している。チャンピオンズリーグとFA杯を加えれば、カップ・トレブルが実現する。リーグ戦はマンCが躓くのを待つといった感じだが、こちらもまだ逆転優勝の可能性はある。
3冠、あるいは4冠を達成したとき、チームの評価はもちろん選手たちの評価も跳ね上がるだろう。リヴァプールOBで元イングランド代表FWマイケル・オーウェン氏は、DFフィルジル・ファン・ダイクが史上最高のセンターバックと呼ばれるようになるはずと語る。
「ファン・ダイクは現在地球最高のセンターバックだ。ただ、私はこうも言いたい。彼が史上最高のセンターバックだと。私が一緒にプレイしてきた中では、リオ・ファーディナンドが最高だった。センターフォワードとしてファン・ダイクと対峙した際、彼を見て思うだろう。いったい何をどうすればいいのかと。彼は大きくて、速くて、強い。ボールの扱いも上手く、ゴールも決められる。こんな選手は見たことがない。唯一彼に不足する部分があるとするなら、タイトルの数かな。彼はプレミアリーグとチャンピオンズリーグを1度ずつ制しただけだ。人々がファーディナンドやマルディーニ、バレージといった選手を偉大と称えるのは、タイトルの数も関係しているんだ」(英『BT Sport』より)。
ハイレベルなパフォーマンスに加え、チャンピオンズリーグをキャリアで2度制したとなればファン・ダイク個人の評価も上昇するに違いない。時代が違うため比較は難しいが、能力的にオーウェン氏が挙げたファーディナンド氏やマルディーニ氏に劣る部分があるとも思えない。ファン・ダイクの実力は間違いなく史上最高クラスだ。
タイトルの数は説得力を持たせるものになるが、ファン・ダイクは自らの手でそれを引き寄せられるのか。特にチャンピオンズリーグ決勝で対戦するレアル・マドリードではFWカリム・ベンゼマが絶好調で、彼を抑えての優勝には大きすぎる価値がある。