今年のJ1序盤戦でサプライズの1つとなっているのは、やはり5位につける京都サンガだろう。
昨年J2でジュビロ磐田に次ぐ2位に入ったサンガは、12年ぶりにJ1へ昇格。ここまで磐田が1勝しか挙げられず15位と苦しんでいるのに対し、2位から昇格してきた京都は4勝3分2敗と粘り強い戦いで首位と5ポイント差の5位につけている。
中でも世界的に話題を呼んだのが17日に行われた第9節・柏レイソル戦での先制ゴールだ。
自陣ペナルティエリア内からGK上福元直人も使って相手のプレスをいなした京都は、右サイドへ展開したところから一気にスピードアップ。選手が次々と前線へ顔を出し、最後は中央を経由して左サイドまで展開したところからDF荻原拓也が得点を記録。
この一連のプレイに英『GIVE ME SPORT』は「日本の京都サンガが史上最高のチームワークゴールの1つを決めた。それは本当に現在のマンチェスター・シティや、全盛期のバルセロナを思わせるものだった」と絶賛。
特に相手のプレスをかなり近い位置で受けながらも繋ぐ意思を捨てなかったGK上福元は印象的で、マンCではGKエデルソン・モラレスが同じようにゴールラインぎりぎりのところからパスを繋いだことが話題になったばかりだ。現代のGKに求められる技術の1つで、京都は一貫性あるフットボールを披露している。
まだ気が早すぎるが、同メディアは5位につける京都が来年のアジア・チャンピオンズリーグに進出しても不思議はないとの見方も示している。このスタイルをアジアトップの舞台で見てみたいと考えるファンもいるはずで、昇格1年目から期待は広がっている。そこを目標にするのも悪くないだろう。
何より最前線にFWピーター・ウタカがいてくれることが心強い。2016年にサンフレッチェ広島の一員としてJ1得点王のタイトルを獲得しているウタカはアジアのサッカーをよく理解しており、今季もここまで7得点を奪って得点ランク首位に立っている。もう38歳と大ベテランの域に入っているのだが、まだまだJの舞台で得点量産は可能なようだ。
クラブのユースより上がってきた20歳のMF川崎颯太、山田楓喜(20)、福岡慎平(21)、DF麻田将吾(23)など、若い選手が出番を得ているのも興味深い。ここまでは順調な滑り出しとなっているが、このペースを維持できるのか。