エキサイティングなスタイルだけがサッカーではない アトレティコ対シティ戦後に目立った守備的な戦術への批判

マンチェスター・シティとの1stレグ終了後にはシメオネ監督に多くの批判が集まった photo/Getty images

両監督が勝ちを目指した結果だ

CLラウンド8ではそれぞれ各リーグの強豪同士がぶつかり合い、マンチェスター・シティ、リヴァプール、レアル・マドリード、ビジャレアルが4強入りを果たした。

そんなラウンド8のアトレティコ・マドリード対シティ戦では、守備的すぎるという批判が両チームに浴びせられている。

1stレグではアトレティコがその批判の的となった。このゲームでは[3-5-2]のシステムでゲームに入ったが、押し込まれる中で前線の選手がゼロ枚となる[5-5-0]に姿を変えている。これにはボールを動かして相手を崩すことに長けたシティの選手も驚きを隠せておらず、ロドリら普段はミスの少ない選手がパスミスを連発している。最終的にはフィル・フォーデンとケビン・デ・ブライネの個人技でアトレティコの鉄壁を破り、1stレグは1-0でシティの先勝となったが、ジョゼップ・グアルディオラ率いるシティですらその[5-5-0]を崩す手段は個での突破しかなかった。

このゲームに対し、イタリアメディア『Gazzetta dello Sport』ではアリゴ・サッキ氏が「正直いってこのプレイスタイルは観客にとって退屈なものだ」とアトレティコのスタイルを批判している。

2ndレグでは反対にシティが批判にさらされることになった。このゲームも普段通りの[4-3-3]で試合に臨んだが、疲労もあって前線からのプレスがかからず、最終的にフェルナンジーニョを投入して[4-5-1]で戦っている。特に後半は自陣から脱出することもままならず、シティらしくない守備的な戦い方だった。

英『Daily Mail』ではアトレティコの会長であるエンリケ・セレソ氏が「誰もがそれを見た。シティは完全に守備的なチームだった。少し古いスタイルでプレイし、自らのゴールの前に壁を作って戦っていた」と批判とも捉えられるような発言をしている。

1stレグ後にアトレティコへ多くの意見が寄せられたように、サッカー界での守備的な戦術への批判は少し目に余るところまで来ている。確かにサッキ氏が指摘したように退屈な試合だったかも知れないが、2ndレグの後半は超攻撃的にシティを攻め立てていた。結局ノーゴールに終わったが、シティは直前にリヴァプールと対戦したこともあって疲労困憊であり、守備的にならざるを得なかった。ディエゴ・シメオネ監督はこれを狙っており、2ndレグの後半に逆転を狙ったのだ。この狙いは大当たりであり、シティは連戦や移動での疲労からまともなパフォーマンスをできず、守備的になるしかなかった。結局どちらも勝つためにそれぞれ守備的な戦術を取っており、つまらないからといって勝利を目指す両チームを批判するのはナンセンスだといえる。

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