日本代表の最適解は[4-3-3]であっているのか [4-2-3-1]で失敗した当時と現在の違い

森保一監督はこれからどう動いてくるか photo/Getty images

どこかで試す価値はある

アジア最終予選最終節ベトナム戦を戦う前にワールドカップ・カタール大会行きを決めた日本代表。[4-3-3]を採用してからの快進撃は素晴らしく、6連勝を記録。その中にはサウジアラビア、オーストラリアといったアジアで強豪とされる国が含まれており、今の日本代表はアジア内でいえば最強といえる。しかし、ここに欧州や南米といった他の地域が入ってくればこの状況は一変する可能性があり、最終予選で見せた戦い方を捨てなければならないこともある。

そこで重要となるのは、他地域との親善試合だ。前回の2018年に開催されたワールドカップ・ロシア大会ではアジア最終予選最終節サウジアラビア戦が終わってからブラジルやベルギー、ウクライナ、スイスといった強豪国と対戦している。そこでの敗戦で当時の指揮官であるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任され、西野朗氏が監督となったわけだが、欧州、南米勢とのテストマッチは非常に重要であり、アジアを飛び出して世界を知ることができた。今回は来季のシーズン終了後ではなく、シーズン中と前回に比べて本大会までの期間は短いが、その親善試合を通じて何が通用して何が通用しないかを知る必要がある。もちろん、そこで[4-3-3]が通用すれば問題ないが、もしものために案は複数あれば困ることはない。

考えられる案としては[4-2-3-1]への回帰だ。アジア最終予選3節まで使用したシステムであり、4節オーストラリア戦から[4-3-3]に変わっている。このシステムでは中盤が上手く機能せず、攻撃と守備が切り離されてしまった。ボールを保持して敵陣に攻め入ることが難しく、その3試合では1ゴールしか奪えていない。

だが、今の代表では田中碧や守田英正といった前線と後方を上手くつなげるリンクマンが多い。また、彼らはカバーできる範囲が広く、遠藤航のタスクが多すぎて苦しい思いをすることもない。このシステムに変える最大のメリットはトップ下の復活だ。日本には鎌田大地や久保建英といったそのポジションで輝く選手が多く、伊東に依存している今の攻撃陣に変化を与えられる可能性はある。現在の鎌田はアジア最終予選序盤戦の不調だったころの鎌田ではなく、フランクフルトではここ5試合で2ゴール1アシストと攻撃面でチームをけん引している。バイタルエリアでの輝きは現10番の南野拓実と並ぶほどだ。

シーズン中でのW杯開催ということもあって想像以上に本大会までの時間がない日本代表。それまでに解決する必要のある問題は山積みであり、今後の代表の動きに注目したい。

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