遠藤航離脱でアンカーは誰が務める? 早くも始まっているカタール大会に向けたポジション争い

ここまで替えの効かない存在として活躍した遠藤航の離脱が発表された photo/Getty images

選択肢が増えれば戦力アップにつながる

24日に行われた運命のオーストラリア戦では2-0で勝利し、ワールドカップ・カタール大会への出場権を獲得した日本代表。波乱もあったこのアジア最終予選だが、途中から連戦連勝であり、最終的には6連勝でグループBの上位2位以内でのフィニッシュを決めている。

そんな歓喜の瞬間から時間が経ち、日本サッカー協会から板倉滉、遠藤航の代表離脱が発表された。コンディション調整のための途中離脱だと発表されており、それぞれのクラブに戻るようだ。実際に次節ベトナム戦は消化試合であり、特にここまで東京五輪、アジア最終予選でフル稼働だった遠藤をそこまで酷使する理由はない。

遠藤離脱となれば、中盤の中心人物を失うことになる。ここまでの9試合は全試合に出場しており、[4-3-3]ではアンカーとしてピッチに立っている。代役は守田英正だろう。ここまではインサイドハーフとして起用されていたが、川崎フロンターレ時代にはアンカーを経験している。

守田がアンカーである程度のパフォーマンスを披露できれば、中盤がより強化される可能性はある。ここまでアンカーとして起用されている遠藤は所属クラブであるシュツットガルトでは一つ前のポジションでプレイしている。代表とクラブでは守田、遠藤それぞれのポジションが逆なのだ。それはプレイ面にも表れており、遠藤はどちらかといえば推進力のあるドリブルを武器に前進していくことが多い。アンカーではスペースを自ら空けてしまう危険なプレイだが、インサイドハーフであれば問題はない。守田も攻撃ではポケットと呼ばれるエリアを使うなど、攻撃時のアイデアは十分だが、パスの捌きやボール奪取といった中盤低い位置でプレイする際の能力は遠藤に並ぶ、もしくは超えるものを持っている。

今回は遠藤が離脱し、守田が一つポジションを下げることになれば、インサイドハーフのポジションが一つ空くことになる。そこで期待されるのは、旗手怜央や原口元気、柴崎岳ら長いプレイタイムを与えられていない選手たちだ。原口に関してはオーストラリア戦で途中から出たが、スタートからの彼は未知数だ。運動量が豊富な選手であり、そこにインテリジェンスがあれば十分に田中碧や守田に並ぶことができる。旗手はセルティックでインサイドハーフとして躍動しており、中盤としての攻守への貢献に加え得点面では田中や守田を凌ぐだろう。柴崎に関しては代表で序列を下げており、自身の攻撃性能の高さを証明する必要がある。

遠藤の離脱で選択肢が増えそうな中盤。より一層、守田への依存度は高くなるが、ベトナム戦では新しい中盤の組み合わせに期待だ。

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