鎌田大地に2200万ユーロの市場価値はあるか クラブが誇る“KKコンビ”苦戦で変わる評価

昨季より数字を落としている鎌田 photo/Getty Images

日本人選手では2番目に高い市場価値だが

昨季ブンデスリーガで5得点12アシストの活躍を見せたこともあり、フランクフルトでプレイする25歳の日本代表MF鎌田大地には強豪クラブへのステップアップも噂されるようになった。

しかし、今季はその評価にブレーキがかかっている。ここまではリーグ戦22試合に出場して2得点1アシストのみとなっており、どうにも数字が伸びてこない。

チーム状況にも問題はある。今季より指揮官がオリバー・グラスナーに交代し、上手くチームが機能していないところがある。苦戦しているのは鎌田だけではなく、左サイドからチャンスメイクを連発するセルビア代表MFフィリップ・コスティッチも数字が伸びてこない。

フランクフルトの左サイドを支配してきたコスティッチ photo/Getty Images

コスティッチと鎌田が攻撃の軸

コスティッチの場合は今季3得点7アシストを記録しており、決して悪い数字というわけではない。ただ、コスティッチは2018-19シーズンからブンデスリーガで3シーズン連続二桁アシストを記録していた選手だ。昨季も14アシストを記録しており、ブンデスリーガでもTOP5には入るチャンスメイカーと認められている。そこから考えると、今季の数字はやや寂しいか。

独『Frankfurter Rundscau』も鎌田、コスティッチのコンビをK&Kと表現し、調子が上がってこないチームの二大チャンスメイカーのことを心配している。前線でチャンスボールを沈めてくれるFWアンドレ・シウバが昨季限りで退団してしまったことも2人への負担を大きくしているのだろうが、それでも物足りないのは事実だ。

両者とも契約は2023年夏までとなっており、コスティッチにもステップアップの話はあった。しかしコスティッチの場合は29歳とベテランの領域に入りつつあり、鎌田も今季の成績が評価に傷をつけている。今の鎌田を欲しがる強豪クラブは限られるか。

移籍情報サイト『Transfermarkt』の市場価値では、鎌田はチームでDFエヴァン・ヌディカの2800万ユーロに次いで2番目に高額な2200万ユーロの評価を得ている。この数字は日本人選手ではアーセナルに所属するDF冨安健洋の2500万ユーロに次いで2番目に高額だが、今の鎌田にそれだけの価値があるかは微妙なところだろう。

同メディアもステップアップは難しいと見ており、今季は苦いシーズンになってしまっている。フランクフルトが調子を取り戻してくれるのが1番だが、このままの状態では鎌田も将来を考えなければならない。イングランドのようなフィジカルバトルが激しすぎる環境は鎌田に合わないだろうが、現在の日本人選手の中でも屈指のチャンスメイカーである鎌田の才能を最大限引き出せる場所はどこなのか。今夏は様々な選択肢を検討する夏となりそうだ。

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