前田大然の“決定力”をどう評価する? シュート19本中11本が枠外へ飛んでいく精度に古橋との差

前田大然はセルティックのエースになれるか photo/Getty Images

一部では厳しい意見も

デビュー戦のハイバーニアン戦で得点を挙げ、2週間後のマザーウェル戦でも得点を挙げるなど、今冬セルティックへ移籍した日本代表FW前田大然は上々の滑り出しを見せていた。

しかし、スコットランドの名門セルティックのFWにかけられる期待は想像以上に大きい。リーグ戦では2月9日のアバディーン戦から4試合連続無得点となり、一部では前田に対して厳しい声も挙がりつつある。

その間も国内カップ戦のレイス・ローバーズ戦、カンファレンスリーグ・プレイオフのボデ・グリムト戦で1点ずつ挙げるなど、前田はセルティック加入から11試合で4得点を挙げている。十分な成績に思えるが、現地メディア『67hailhail』はまだ評価に迷っている。前田が100%の期待に応えたわけではないとの評価なのだ。
1つは同じ日本代表のFW古橋亨梧が鮮烈なスタートを切ったことも影響しているのだろう。指揮官にアンジェ・ポステコグルーが就任してからは日本サッカー界との結びつきが強くなり、セルティックのサポーターは古橋の得点ペースに度肝を抜かれることになった。前田にもそれと同じくらいの活躍が期待されていたのだろう。

前田のパフォーマンスで気になる点があるとするならば、精度か。ここまでリーグ戦では19本のシュートを打っているが、枠に飛んだのは5本だけだ。DFにブロックされたものが3本、枠外へ飛んでいったのが11本となっており、ここは改善の余地がある。

ドリブルも7回仕掛けたうち成功は2回となっており、こちらもあまり成功率は高くない。リーグ戦でのチャンスメイク数も1回と記録されていて、ウイングでも起用される選手としては少々寂しい数字だ。

シュート精度に関しては、古橋が30本打って17本を枠に飛ばしている。ヨーロッパリーグも合わせると、今季の古橋は放った38本のシュートのうち22本が枠を捉えていて、ここは古橋に軍配が上がる。決定力では古橋が上と言えよう。

もっとも、冬の移籍が難しいことは考慮されるべきだ。シーズン途中から新チームに合流するのは難しく、前田ら日本人選手の場合はまったく違う国のフットボールに適応しなければならない。前田だけでなく旗手、井手口にも時間を与えるべきだろう。

スコットランドを代表する名門だけあってサポーターの要求も厳しいのだろうが、前田は古橋にも負けないゴールゲッターとしてサポーターを納得させられるだろうか。リーグ戦で4試合連続無得点となり、前田自身にも少し焦りが出始めているかもしれない(数字は『WhoScored』より)。

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