[MIXゾーン]横浜FM撃破に欠かせなかったレイソルの仕事人 緊急出場でも戸嶋祥郎が見せた安定感

横浜FM戦で緊急出場するも、好パフォーマンスを見せた戸嶋 photo/Getty Images

「準備はできていませんでしたが……」

27日に行われた明治安田生命J1リーグ第2節にて、横浜F・マリノスを3-1で下した柏レイソル。試合前には多くの人が横浜FMの勝利を予想していたかもしれないが、昨季の低迷から再起を図る太陽王は下馬評を覆して見事な勝利を収めている。

では、その勝利の立役者となったのは誰か。おそらく、最前線で奮闘した細谷真大やドウグラス、優れたチャンスメイクで違いを見せつけたマテウス・サヴィオなどは多くの支持を集めることだろう。なにしろ柏がJ1で1試合に3ゴール以上を奪ったのは昨年6月の湘南ベルマーレ戦(◯4-1)以来のことだ。攻撃陣にスポットライトが当たるのも無理はない。

しかし、この試合の柏では彼ら以外にも見逃せない存在がいた。その選手とは、急遽途中出場するも終始安定したプレイを披露したMF戸嶋祥郎だ。同選手はこの試合でベンチスタートとなったが、13分に負傷したMF中村慶太との交代でピッチへ。スクランブルでの起用であることに加えて、不慣れな右ウイングバックでの起用。多くの点で難しさもあったはずだが、彼はその後の77分間で非常に頼もしいパフォーマンスを見せてくれた。前線と連動した出足の早い守備を筆頭に、彼の気が利くポジションニングはあらゆる点で横浜FMを苦しめていたと言っていい。
「正直、なかなか準備はできていませんでしたが、相手の永戸選手やエウベル選手を捕まえるというのは意識して試合に入りました。相手にはスピードやパワーのある選手が揃っていたので、裏のスペースはケアしなければという意識が強かったです。ですが、風向きなどもあってそういった部分はうまく間合いを取ることができました。味方のFWが寄せきれずにフリーの選手を作ってしまった時には下がりめのポジションで“裏だけはやらせない”という意識は持っていました。それと同時に、真大とドウグラスが良いプレッシャーをかけてくれていたので、相手の逃げ道となるような場所を自分がガッツリ塞ぎに行くことも考えていました」

そんな戸嶋は、この横浜FM戦で意識していたことを試合後このように語っている。彼が出場時間を通して前方も後方も常に気をかけていたからこそ、柏のアグレッシブな守備は長時間機能することができたのか。

スクランブルでの出場ながら、すんなりと試合に入って味方の守備強度を高めてみせた柏の中盤戦士。戸嶋祥郎は今季もレイソルにとって欠かせない存在だ。

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