残念ながらヒットしない補強が大半だった
ジョゼップ・グアルディオラの下でパーフェクトなポゼッションサッカーを実現したバルセロナが変わり始めたのは、やはりMSNが完成したところからだろうか。
当時の指揮官ルイス・エンリケはリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの3枚を軸によりダイレクトなフットボールを展開するようになり、MSNはサッカー史上最高クラスの攻撃ユニットとなった。3冠まで達成したのだから、当時のエンリケ体制は大成功だったと言えよう。
しかし、MSNの記憶に引っ張られ続けているところがある。2017年にネイマールが退団してMSNが解体されると、そこからバルセロナは新たなる攻撃ユニット構成へ多額の資金を投じてきた。
ウスマン・デンベレ、フィリペ・コウチーニョ、さらにはジェラール・デウロフェウを戻したこともあった。その後もマルコム、アントワーヌ・グリーズマン、今冬にはフェラン・トーレスも5500万ユーロの移籍金で加えた。
スペイン『MARCA』は「バルセロナがMSNの代わりを見つけるために4シーズンと5億5200万ユーロを投じた」と伝えているが、ここまでは明らかに外れの方が多い。今ではスアレスとメッシもクラブを去ってしまい、トリデンテの答えは見えてこない。
今冬にはトーレスに加えてアダマ・トラオレ、ピエール・エメリク・オバメヤンも加えており、この3枚をピッチに並べるパターンも増えるかもしれない。同メディアはサポーターが再び支配的なトリデンテ完成を夢見ていると伝えているが、今冬に加えたアタッカー3枚は苦悩するバルセロナの答えになるのだろうか。メンフィス・デパイ、アンス・ファティらのコンディションが戻ればオプションはさらに増えることになり、指揮官シャビ・エルナンデスはその最適解をシーズンの終わりまでに見つけなければならない。