リヴァプールでモハメド・サラー、サディオ・マネ、ディオゴ・ジョタ、ロベルト・フィルミーノといったアタッカーたちからポジションを奪い取るレベルにはないかもしれない。しかし、チームにとって日本代表FW南野拓実の存在は大きいと言える。
南野が主に出番を得ているのはEFL杯、FA杯といった国内カップ戦が中心だが、そこでは確実に結果を出している。EFL杯では5試合で4得点1アシスト、FA杯では6日に行われたカーディフ戦で1得点を記録して3-1の勝利に貢献している。
プレミアリーグの方では86分間しか出番を得ていないが、それでもアーセナル戦とブレントフォード戦で得点を記録。8試合の出場で2得点はまずまずの成績と考えることができ、ローテーション要員として南野はリヴァプールの前線で非常に大きな役割を果たしている。
リヴァプール専門メディア『ROUSING THE KOP』も南野の働きを評価する。何より2020年の冬にザルツブルクからやってきた南野には725万ポンドしかコストがかかっていない。前線のバックアッパーとしては理想的な補強で、同メディアもバックアッパーの選手にまで4000万ポンド級の資金を投じることは出来ないと主張する。
プレミアリーグでの2得点という数字も、チェルシーが2020年に獲得したドイツ代表FWカイ・ハフェルツとまったく同じだ。今季のハフェルツはリーグ戦で946分間プレイして2得点2アシストの成績に留まっているが、ハフェルツの場合は獲得に推定7000万ポンドはかかっている。南野の10倍近いコストだが、得点数は同じなのだ。
もちろん得点数だけで優劣を判断することは出来ないが、南野がバックアッパーとしてチームに貢献しているのは確かだ。理想はリヴァプールのようなビッグクラブで主力になることだが、それのみが役割というわけではない。南野にとってもリヴァプールでの生活は貴重な経験となっているはずだ。
「リヴァプールが今季何かを勝ち取るには、南野を必要とするだろう。彼の貢献は他のチームメイトほど大きいものではないかもしれないが、それでも重要だ」
同メディアはこう締めくくっており、南野はきっちりと評価されている。4回戦突破を決めたFA杯でも再び起用されていくはずで、タイトル獲得へチームは南野の働きを求めている。