アジア最終予選・グループBが混沌とする中、グループAより危なげなくワールドカップ出場を決めたのがイラン代表と韓国代表だ。
今のところグループ首位はイランとなっているが、韓国も8試合を消化して6勝2分と無敗をキープしている。シリア、レバノン、イラク、UAEと同居するグループAのレベルには少しばかり疑問もあるが、それでも韓国とイランの戦いぶりは見事だ。
その中でも韓国『スポーツソウル』は、国内組の若い選手たちの頑張りを称えている。
海外組では大エースのトッテナムFWソン・フンミン、センターフォワードに入るボルドーFWファン・ウィジョ、ウォルバーハンプトンでソン・フンミンに続きたいFWファン・ヒチャン、ドイツのマインツでプレイするMFイ・ジェソン、フライブルクのチョン・ウヨン、ロシアのルビン・カザン所属MFファン・インボム、トルコのフェネルバフチェ所属DFキム・ミンジェといった選手が軸になるが、決して海外組にすべてを依存しているわけではない。
予選では国内組の若手も奮闘しており、全北現代モータースFWソン・ミンギュ(22)、金泉尚武FCFWチョ・ギュソン(24)、全北現代モータースMFペク・スンホ(24)らが継続的に召集を受けてきた。国内組を中心に臨んだ今年1月のアイスランド代表戦(5-1)、続くモルドバ代表戦(4-0)でも勝利を収めるなど、国内組の面々も結果を出している。
韓国は2014年のブラジル大会のアジア最終予選は4勝2分2敗と苦戦し、ギリギリ2位で予選通過。さらに2018年のロシア大会も4勝3分3敗と大いに苦しんで2位通過となっている。
それに対して今回は無敗をキープしての予選通過となり、同メディアも「こんなに順調な最終予選を見たことはあるか」とチームの出来栄えを評価する。
2018年よりパウロ・ベント体制が続いていることもチームが成熟してきた理由なのだろう。韓国代表では、3年以上チームを指揮した監督がいないのだ。おそらくはこのままワールドカップまでパウロ・ベント体制は続くはずで、任期は4年を超えることになる。
目指すは2010年の南アフリカ大会以来となる決勝トーナメント進出だが、何よりの強みはチームに現アジア最強FWソン・フンミンがいることだ。ソン・フンミンさえ好調なら、強豪相手にもサプライズを起こすことも不可能ではないはず。ソン・フンミンも年齢的には今年のカタール大会が万全の状態で戦える最後の大会になる可能性もあり、順調すぎる内容で予選を通過した韓国の力が本大会でも通用するのか楽しみだ。