以前から指摘されていることだが
無失点に加え、オーストラリア戦以来の複数得点で白星を挙げた中国戦。これで日本代表は勝ち点を15ポイントにまで積み上げており、2月1日にサウジアラビアに勝利すれば、差を1ポイントにまで縮めることができる。
とはいえ、問題は多い。複数得点だが、1つはPKからのゴールであり、流れからの得点が少ない。後半はより攻撃的な選手を加えたことで前線が渋滞しており、改善する必要がある。また、田中碧、守田英正らインサイドハーフでプレイできる選手の代わりを見つけることができなかった。
日本代表は[4-3-3]をオーストラリア戦から採用しており、中国戦での勝利で4連勝となった。素晴らしいことなのだが、すべての試合で田中、守田がスタメンであり、彼らと同じレベルのパフォーマンスをインサイドハーフで発揮できる選手が見つかっていない。これは今回のような2試合しか行われない代表ウィークであれば問題ないが、目標としているワールドカップ・カタール大会ではよりレベルの高い相手と、少なくともグループステージで3試合を行うことになる。そうなれば彼らはより酷使され、交代を余儀なくされるだろう。しかし、代わりの選手がいないのだ。
田中、守田がここまで重宝されるのは中盤での攻守の貢献度の高さにある。ビルドアップでは後方からのパスの受け手となり、ボールロストせず後方と前線を繋ぐリンクマンとして働いている。彼らがいなければ攻撃もままならない。
守備では速いネガティブトランジションから相手のボールホルダーにプレッシングをかけ、ボールを奪取している。中国戦では彼ら2人で4回タックルを成功させており、遠藤航と共に中央の守備のフィルターとして輝いた。
現状の森保ジャパンで彼らに代わることのできる人材は柴崎岳と原口元気の2人だ。しかし、柴崎はどちらかといえば攻撃で目立つ選手であり、田中や守田のように守備で目立てるかは分からない。原口は中国戦で起用されたが南野拓実と交代でサイドに入っており、中盤での働きは見られなかった。体調不良で欠場した浅野拓磨の代わりに原口がサイドに入ったと考えられるが、代表での彼の中盤は未知数だ。
チームの中で最も重要といっても過言ではないインサイドハーフの2人。彼らに代わる存在としてシャルルロワの森岡亮太や名古屋グランパスの稲垣祥らの招集も期待されていたが、呼ばれていない。重要なポジションだが、選手層は薄く、今後も彼ら2人に頼ることになるのだろうか(データは『SofaScore』より)。