驚異的な反射神経でゴールを守る男
2021-22シーズン、ユリアン・ナーゲルスマン監督や主力の引き抜きも影響し、ここまでドイツ・ブンデスリーガで6位となっているRBライプツィヒ。ここ最近はようやく調子を取り戻してきた印象もあるが、今季の彼らはやや苦しいシーズンを過ごすこととなっている。
しかし、そんなチームのなかでも開幕から奮闘を見せているのがGKペテル・グラーチ(31)だ。クラブがまだ2部リーグに所属していた2015-16シーズンからライプツィヒのゴールマウスを守り続けている男は、今季も素晴らしい活躍を継続中。ここまでは新型コロナの影響で欠場した1試合を除き、リーグ戦全試合に出場して圧巻のパフォーマンスを披露している。
そして、今季のグラーチはそのスタッツも依然としてハイレベル。データサイト『FBref』によると、ここまでの同選手はセーブ率(75.0%:リーグ3位)をはじめとした数字が軒並みリーグ上位にランクインしており、GKのパフォーマンスを図る指標の一つである“PSxG+/-(シュート後失点期待値−実失点の数値)”もリーグ4位の「+3.5」を記録している。この“PSxG+/-”という指標は、放たれたシュートの難易度に対して、そのGKが実際に何失点したかの差を表すもの。端的に言えば、今回の場合は平均的なGKが同じクオリティのシュートに対応した際よりも、今季のグラーチが喫している失点数は3.5点少ないということだ。
現地時間23日に行われたブンデスリーガ第20節のヴォルフスブルク戦(◯2-0)においても、驚異的な反射神経を武器に好セーブを連発してチームの完封勝利に貢献したグラーチ。昨今のブンデスには多くの優秀なGKが集結しているが、そのなかでも彼は依然としてトップレベルをキープしている。先日は元ドイツ代表GKレネー・アードラー氏からも「欧州で最高のGKのひとり」との賛辞を送られたライプツィヒの絶対的守護神。これからもその圧倒的な反射神経を武器にチームの失点を減らすグラーチの活躍からは目が離せない。