現地時間7日に行われたブンデスリーガ第18節にて、バイエルン・ミュンヘンはまさかの黒星を喫することとなった。シーズン前半戦を快調に飛ばしていた絶対王者だが、この試合ではボルシアMG相手に1-2で敗戦。チームのメンバーが揃わないなかで臨んだ一戦ではあったものの、シーズン後半戦は思いもよらぬ形で黒星スタートとなっている。
しかし、この試合ではボルシアMGの面々が披露したパフォーマンスが素晴らしかった。もちろん、バイエルン側にもまずかった点はあるのだが、タイトな寄せで王者に自由を与えなかったアウェイチームの守備は見事だったと言っていいだろう。連動したプレスはバイエルンの選択肢を限定し、ボールを奪った後には小気味良いテンポでカウンターを繰り出す。その粘り強い戦い方を90分間継続できたからこそ、今回ボルシアMGは勝利を掴んだのだ。
なかでも、チームを最後方から支えたスイス代表GKヤン・ゾマー(33)の働きは絶品。いくらタイトな守備で多くの選択肢を封じようとも、一瞬の隙を突いて決定機を作ってくるのが王者バイエルンだが、そういった不意のピンチを迎えても彼は常に冷静な対応を見せた。18分にはロベルト・レヴァンドフスキにスーパーな先制点を決められるも、それ以外の場面では決定機を何度も防いでみせた。GKにとってノーチャンスのシュートでなければ、すべて止める。この試合のゾマーからはそんな雰囲気が漂っていたと言っていい。
特に印象的だったのは56分のプレイだ。このシーンでは、リズミカルなパスワークでバイタルエリアを攻略したバイエルンにフィニッシュまで持ち込まれたボルシアMG。しかし、MFジャマール・ムシアラが放った右足アウトサイドのシュートに対して、ゾマーは驚異的な反応を見せ右手一本でこれをセーブ。あわや同点というピンチだったが、守護神の活躍でチームはなんとか1点のリードを守り切ることに成功している。
そのほか、試合中には相手のロングボールに対する最終ライン裏のケアにも怠らなかったゾマー。今回のボルシアMGの勝利に、彼の貢献が必要不可欠だったことは間違いない。バイエルン撃破に一役買った絶対的守護神。今後もゾマーの驚異的なシュートストップには注目だ。