準優勝は3度あるのに、W杯優勝は“ゼロ” 名将が戻ったオランダ代表は来年のW杯で優勝狙える?

ファン・ダイク擁する最終ラインは間違いなく世界トップクラス photo/Getty Images

経験豊富な指揮官とフレッシュな戦力は揃った

来年のワールドカップ・カタール大会の優勝候補はどこか。やはり前回王者フランス、EURO2020準優勝のイングランド、南米予選で安定した戦いを見せるブラジルなどが候補になってくるだろうが、名将ルイ・ファン・ハールが戻ってきたオランダ代表はどうだろうか。

オランダ『Voetbalzone』によると、ファン・ハールはカタール大会制覇に自信を覗かせている。

「傲慢かもしれないが、指揮官にはリーダーシップの資質と選手および試合の洞察という2つの重要な要素があり、私は両方を備えている。私はこれまで働いてきたすべてのクラブでタイトルを獲得している。なぜオランダ代表でそれが不可能なのか。私は信じている」
確かにファン・ハールはアヤックス、バルセロナ、AZ、バイエルン、マンチェスター・ユナイテッドのすべてで最低1つはタイトルを手にしている。オランダ代表でも2014年のワールドカップ・ブラジル大会では3位に入るなど、一定の結果は残していた。

今のチームにはタレントも揃っている。最終ラインをリヴァプールのフィルジル・ファン・ダイク、ユヴェントスのマタイス・デ・リフト、インテルのステファン・デ・フライで固められるのは大きく、また今季はアヤックスにてMFライアン・グラフェンベルフやDFユリエン・ティンバー、デヴィヌ・レンチなど若い選手たちが充実した時間を過ごせている。彼らがチャンピオンズリーグの戦いでさらなる成長を遂げられれば、大きなプラスになる。

気になるのはパリ・サンジェルマンで主力になりきれていないMFジョルジニオ・ワイナルドゥム、不調のバルセロナにいるFWメンフィス・デパイ、MFフレンキー・デ・ヨングといった選手たちで、彼らは代表の柱だ。ワールドカップまでには状況を変えたい。それができれば、優勝を狙えるだけのタレントは十分に揃う。

前線はヴォルフスブルク所属の大型FWボウト・ベグホルスト、ドルトムントでブレイクの兆しを見せる若手FWドニエル・マレン、ビジャレアルで成功を収めているアルノー・ダンジュマなど、他にも興味深い選手が揃う。ビッグネームというわけではないが、彼らも重要な戦力だ。

世界を代表する強豪国でありながら、まだオランダはワールドカップ優勝経験がない。準優勝は3度もあるのだが、あと一歩が遠いのだ。果たして名将ファン・ハールが戻ってきた今のチーム初優勝に届くのか。優勝候補No.1とは言い切れないが、今のオランダには優秀な選手も経験豊富な指揮官も揃っている。すべてが噛み合えば頂点を目指せるはずだ。

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