インテルの右サイドで暴れ始めた“超攻撃的WB” ダンフリース躍動の秘密とは

ここのところ絶好調のダンフリース photo/Getty Images

「クセを直すために少し苦労した」

今夏移籍市場にて、財政難から昨季までの主力だったFWロメル・ルカクやDFアクラフ・ハキミの売却を余儀なくされることとなったインテル。彼らの放出により、2021-22シーズンのネッラズーリは攻撃力が大幅に低下することも心配された。しかし、結果的にはここまで第19節を終えてリーグトップの49得点を記録。依然としてセリエA最高級の破壊力を誇っている。

そんなインテルのなかでも、ここ最近で特に印象的な活躍を見せている選手がDFデンゼル・ダンフリース(25)だ。今夏ハキミの代役候補としてPSVから加入した同選手は序盤戦こそなかなか定位置を奪いきれなかったものの、第14節のスペツィア戦でマッテオ・ダルミアンが負傷したことにより出番を確保。以降はリーグ戦5試合すべてに先発し、ウイングバックながら3得点を挙げる活躍を見せている。

キッカケはダルミアンの怪我だったが、そのチャンスを活かす形で今やインテルに欠かせぬ存在となったダンフリース。序盤戦はあまり味方との連係もスムーズにいかなかった印象の強い同選手だが、一体なぜ彼は突如としてここまでインテルで結果を残せるようになったのか。本人はそれについて次のように話す。
「シーズンの初め頃はオランダとの違いに少し苦労したよ。いくつかの点で問題が生じたんだ。以前までの僕はボールが左サイドにあれば、ほとんどの場合で中央に絞ってプレイしていたんだ。でも、インテルではワイドなポジションにとどまることを求められることが多い。以前までのスタイルが身体に叩き込まれていたから、クセを直すために少し苦労したね。だけど、最近は慣れてきたし、どのタイミング自分の持ち味を出すべきかがわかってきたよ」(伊『calciomercato』より)

現在もストライカーのように中央へと進入する動きが最大の持ち味であるものの、加入当初はそればかりを繰り返すのみでチームに馴染めていなかったとダンフリース。しかし、近頃の彼はチーム戦術を理解した上で、中央へと侵入する回数を勝負どころのみに限定しているようだ。決して自分の持ち味を殺さず、チームへと溶け込むことに成功した同選手。ここ数試合での活躍の裏には、ちょっとした意識改革の成果があったようだ。

それに加えて、チームメイトがダンフリースのスタイルを理解し始めたことも大きいのだろう。ようやくインテルの右サイドで輝きを放ち始めた超攻撃的WB。はたして、ダンフリースは今季のセリエAであとどれだけの得点に絡んでくるのか。オランダ代表DFにはようやくエンジンが掛かってきた。

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