現ブンデスリーガNo.1のチャンスメイカーは、おそらくバイエルンFWトーマス・ミュラーだろう。ここまでリーグトップの13アシストを記録し、キーパス数(シュートに直結するパス)もリーグトップの55本を記録している。
そのミュラーを追い続けているのが、フランクフルトMFフィリップ・コスティッチだ。鎌田大地とともにフランクフルト2大チャンスメイカーと言っていいコスティッチは、今季ここまでリーグ戦でミュラーに次ぐ44本のキーパス数を記録。アシスト数はミュラー、レヴァークーゼンのフロリアン・ヴィルツ、ホッフェンハイムのアンドレイ・クラマリッチに次ぐ4位の6アシストとなっているのだが、コスティッチのチャンスメイク力も見事だ。確実に点を決めてくれるストライカーさえいれば、ブンデスリーガのアシスト王も狙えるだろう。
コスティッチがミュラーを追いかける構図は昨季とまったく同じで、昨季もキーパス数はミュラーがトップの93本、コスティッチは89本で2位だった。3位はライプツィヒMFクリストファー・エンクンクで71本となっており、2位のコスティッチとは大きく差がついているのが分かる。また、昨季は鎌田も11位となる56本のキーパスを記録していた。
その前の2019-20シーズンも同じような形となっており、ミュラーがトップとなる84本のキーパス、2位はフライブルクのクリスティアン・ギュンターで81本、コスティッチはそれに次ぐ80本だった。このシーズンは2位ではなかったが、ミュラーを猛追していた点は同じだ。
注目を集めるのは常にミュラーの方だが、コスティッチも現ブンデスリーガを代表するチャンスメイカーの1人だ。それだけに、フランクフルトが退団したFWアンドレ・シウバに代わる点取り屋を見つけられなかったのは痛い。ここまではFWラファエル・ボレとMFイェスパー・リンドストロームの2人がチーム最多の4得点を奪っているが、いずれにしても寂しい数字だ。
チームの方は何とか6位まで順位を上げてきたが、17試合で27得点は少々物足りない。鎌田とコスティッチの2人がいれば多くのチャンスを演出できるはずだが、それを沈めていけるのか。それがここ数シーズンのパターンだっただけに、アンドレ・シウバ退団の衝撃が重く響いている。