マンUを離れた若手MFにブレイクのときは来るか フランスで奮闘する21歳の中盤戦士

今季はリールでプレイするA・ゴメス photo/Getty Images

今季はリールで新たなチャレンジ

2020年夏、弱冠20歳でマンチェスター・ユナイテッドを離れる決断を下した中盤戦士は、フランスの地でその選択が正解だったことを証明できるのか。その中盤戦士とは、昨夏マンUを飛び出してリールへと移籍したMFアンヘル・ゴメス(21)だ。約1年前に慣れ親しんだクラブと別れを告げた男は、今季リーグ・アンで新たな挑戦に臨んでいる。

リール移籍初年度となった昨季はポルトガルのボアヴィスタへとレンタルされ、リーグ戦30試合で6ゴール6アシストの活躍を披露したA・ゴメス。マンU時代からポテンシャルの高さは評価されていたが、多くの出場機会を得ることでその能力は少しずつ開花し始めたと言っていい。本職の攻撃的MFだけでなく、ウイングやセンターフォワードといったポジションもそつなくこなし、シーズンが終わる頃には周囲からポルトガルリーグ屈指の実力者として認識されるようになった。

とはいえ、本番はここから。ポルトガルで評価を上げたA・ゴメスだが、真の勝負となるのはリールへ舞い戻った今季だと言えるだろう。ここまでは開幕から公式戦8試合に出場。まずまずのスタートは切れただけに、ここから定位置獲得を目指したいところだ。現時点ではパス成功率(81.05%)やアタッキングサードにおけるパス成功数(32本)などで悪くない数字も残しているだけに、今後の大爆発には期待がかかる(データサイト『SofaScore』より)。
現時点でパフォーマンスが完璧に安定しているとは言い難い。しかし、マンU時代に指摘された球離れの悪さに改善が見られているあたり、成長を感じることができる現在のA・ゴメス。このまま改善を続けることができるようなら、今季中のブレイクも決して不可能な話ではないだろう。実際、A・ゴメス本人も手応えは感じているようだ。マンU退団の経緯や自身のアイドルについても交えながら、同選手は次のように語っている。

「ユナイテッドとの関係に亀裂はなかったよ。育ったクラブを離れることは辛かったけど、あそこでは少しプレッシャーもあったからね。リールに来てよかった。移籍する前からキャリアにおける大きな一歩となる予感はしていたけれど、それがまさに実現しようとしてる。そして、その成功のカギになったナニにも感謝したいね。アカデミー時代から、僕はナニのプレイを参考にしてきたんだ。ピッチの中でも外でも、常に彼は僕のアイドルだった。彼に色々なことを教わったからこそ、今の僕があるんだと思うよ。リールに来てからはとても気持ちよくプレイすることができている」(英『Daily Mirror』より)

まだ改善点は少なくないものの、マンU退団後は着実に選手として洗練されてきた印象のA・ゴメス。リールは若手育成に定評のあるクラブだけに、彼にもそう遠くない未来のブレイクを期待したいところだが、はたして。

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