指揮官の交代に主力の退団と、多くの不安を抱える中、新シーズンの開幕を迎えたイタリア王者インテル。しかし、開幕2連勝、しかも2戦合計で大量7得点を奪う強さを発揮しており、これらの不安は杞憂に終わりそうだ。
特に、ここまでの試合では新戦力たちの活躍が目立つ。FWエディン・ジェコやMFハカン・チャルハノールは、早くもチームに不可欠な存在となりつつある。ただそんな中でも、今後への期待度が最も高そうなのが、ラツィオから移籍してきたアルゼンチン代表MFホアキン・コレアか。
26日に買取オプション付きのレンタル移籍で加入したコレアだが、翌27日に行われた第2節ヴェローナ戦で早速ベンチ入り。1-1で迎えた74分にFWラウタロ・マルティネスに代わってピッチに投入され、新天地デビューを果たした。そして、83分、後半アディショナルタイムと立て続けにゴールを奪い、チームに勝ち点「3」をもたらした。出場時間が短い中ではあったが、すぐさま指揮官やファンの期待に応えて見せたのだ。
コレアは、今季からチームの指揮官を務めるシモーネ・インザーギ監督とラツィオで3年間一緒に仕事をしており、同指揮官の考えや戦術などに対する理解度は抜群。もちろん、インザーギ監督もコレアの特長をしっかり把握しているはずだ。デビュー戦の活躍には、こういった背景も多少なりとも影響していたことだろう。
そんなコレアは伊『sky sport』のインタビューで「素晴らしい日になった。子供のころからここへ来ることが夢だったんだ。デビュー戦で2ゴールを挙げたのは初めてのこと。チームメイトやコーチ陣、クラブが僕を信頼してくれて、何年もここにいるような気分にさせてくれた。感謝しているよ」と振り返っていた。
新指揮官のことを理解している選手がチームに1人でもいることは、新体制を進めていく上で大きなアドバンテージだ。セリエA連覇へ向けて今季も最高のスタートを切ったインテルだが、インザーギ・インテルとしてはまだまだ発展途上。技術が高く、複数のポジションもこなせるユーティリティ性を備えるコレアは、今夏のラストピースとしてインザーギ監督が古巣から引き抜いた可能性が高く、今後もこの愛弟子がキーマンとなるに違いない。