[MIXゾーン]宮城天に重なる三笘の姿 川崎、今季初無得点も心配なし?

試合後のインタビューに応じる宮城。おでこには蹴られたという傷跡もあった photo/スクリーンショット

自分の色を出しつつ結果を

川崎フロンターレは14日、明治安田生命J1リーグ第24節で柏レイソルと対戦。敵地での戦いに加えて、激しい雨が降りしきる悪天候もあってか、最後までゴールネットを揺らすことができず、スコアレスドローで試合を終えた。

1試合3得点以上を目標に掲げる川崎だが、今季初の無得点試合。早くも一部からは、“三笘ロス”への心配の声が聞かれる。もちろん、ノーゴールに終わった得点という数字に関しては、それは否めないかもしれない。ただ、試合内容を見れば、特に終盤の戦いを見れば、むしろ“三笘ロス”への心配をある程度払拭できた試合だったのではないか。

今後への期待を膨らませたのが、ACL以降徐々に存在感を発揮しつつある20歳のFW宮城天だ。柏戦では58分からピッチに立つと、直後の63分には相手DFに対して縦への勝負を仕掛け、左サイドをえぐる。ドリブルでペナルティエリア内のポケットまで侵入し、MF脇坂泰斗へクロスを送ったシーンは、まるで先輩・三笘薫のようであった。
さらに、71分のシーンのような近寄ってきたFWレアンドロ・ダミアンに一度ボールを当てて中央へ切り込んでいく姿(71分)や、チームが右サイドで攻撃を仕掛けている際にファーサイドで虎視眈々とこぼれ球を狙っている姿、巧みな駆け引きで相手DFの裏を取ろうとする姿など……。まだまだ荒削りな部分が多く、ドリブラーとしてのタイプもやや異なるが、三笘の姿と重ねたファンも多いのではないか。

後半からピッチに立ち、疲れた相手に対して容赦無くドリブルを仕掛けていく姿も、昨季の三笘の姿が思い起こされる。相手GKの好セーブ(73分)とポスト(84分)に阻まれ、J1初ゴールはお預けとなったが、ゴールまであと一歩というシーンが何度もあった。ポジションを争うMF長谷川竜也も、うかうかしていられないだろう。そんな宮城が試合後、柏戦を振り返ってくれた。

ーー縦への仕掛けとカットインはどう使い分けているのか


「最初に縦へ行ったところは力試しという意味で、入ったときとか、最初のプレイとかは縦に行こうと意識しています。そこでも、相手を見てどっちに行こうか選んでいるんですけどね。あのときは(相手が)中途半端な対応に見えたので、縦に行けば抜けるんじゃないかなと思って仕掛けました。そうしたらうまく抜けたので、日ごろから言われている『抜き切ったらえぐる』ということを意識したら、あのようになりました」

ーー惜しいチャンスがあったが、シュートのフィーリングや率直な想いは?


「シュートのところは、いろいろなパターンを自分は持っていると思っています。フィーリング的にも、頭の判断だったりというところも、良い状態なのかなとは思います」

「手応えが3割くらい、悔しさは7割くらいです。練習からやっている形ではありましたけど、もっとパターンはあります。そういう意味では、もうちょっとパターンを出しながらゴールに近づいていかないといけない。日ごろの練習ではほぼ決まっている形でもあったので、決め切らなければいけませんでした。途中出場という役割で、それができなかったというのは力不足なのかなと思います」

ーー相手に退場者が出たが、どのように攻めようとしていたのか


「僕は(相手が)10人になったことを知らなくて、11人なのになんでこんなにずっと攻めているんだろうと思っていたんですけど……。自分たちが強いんだなと思って攻めていて、実は10人だった。その前におでこを相手に蹴られていて、ボーっとしていたら10人になっていました。なので、人数はあまり意識せず、来たボールに対して自分の長所を出して、得点に絡んでいくことだけを考えてやっていました」

ーーACLとJ1の違いに関して


「あまり違いという違いはないかもしれません。自分の特長を出すにあたって、1対1だったり、ゴール前の絡みだったりの違いはないです。柏レイソルもACLのチームみたいに球際が強かったので、そういう面では似たところがありましたけど、僕はそんなに(ACLとJ1の試合を)分けていないです」

ーー三笘の移籍が正式発表され、今後は出場機会も増えてくると思うが


「自分がこれからやるポジションはカオルさんがいたポジションですし、特に存在感を放っていて、自分も尊敬する先輩です。カオルさんのようにはいかないと思うんですけど、自分の形を出して、自分の色でチームに貢献できたらいいなと思います。自分の色を出しつつ結果を出さないと、このポジションにはいられないので、そういう面は意識してやっていきたいです」

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