必然だったイングランドの決勝進出 4年の時を経て完成した“新・黄金世代”

EURO決勝へ進出したイングランド photo/Getty Images

アンダー世代での成功がA代表に繋がる

イングランド代表はメジャートーナメントで勝てないと言われ続けてきたが、ついにEUROのファイナルまで駒を進めることが出来た。

イングランドが決勝までくると予想していた人はあまり多くなかったかもしれないが、ここ数年の流れを見れば妥当なのだろう。なぜなら、ユース年代からきっちりと強化が進んでいたからだ。

今のイングランド代表は若手が多くなっているが、彼らの多くは2017年に世代別代表で大きな成功を掴んでいる。
まず同年のU-17ワールドカップでは、MFフィル・フォーデン、FWジェイドン・サンチョが中心となって初優勝を飾っており、他にもチェルシーFWカラム・ハドソン・オドイ、アーセナルMFエミール・スミス・ロウ、シェフィールド・ユナイテッドFWリアン・ブリュースターらがいた。

さらに同年のU-19欧州選手権もイングランドは制しており、チームにはEUROのメンバーにも入っているDFリース・ジェイムズ、MFメイソン・マウントがいた。他にもトッテナムMFライアン・セセニョン、チェルシーからレンタル移籍を続けているDFトレヴァー・チャロバーらがいた。

続けて同年開催のU-20ワールドカップも初優勝。チームにはFWドミニク・カルバート・ルーウィン、マンチェスター・ユナイテッドでGKダビド・デ・ヘアに勝負を挑めるところまできたディーン・ヘンダーソン、ミランで才能が開花しつつあるDFフィカヨ・トモリらがいた。

彼らの中からEURO2020に参戦する者が複数現れたことは非常に意味があり、今の若い世代はトーナメントでの勝ち方を知っている。ユース年代で結果を出した者がA代表でも主軸になっていく流れは代表強化で最も理想的な流れと言えよう。

前回大会のEURO2016ではFWマーカス・ラッシュフォードも期待の若手と注目されていたが、今大会ではそのラッシュフォードでさえスタメンを掴めないほど豪華なメンバー構成になっている。

2017年から4年の時が経ち、今回のEURO決勝進出はそれほど驚く結果ではないのかもしれない。今の若手たちにこれまでの常識は通用せず、これからはワールドカップの方でもイングランドが優勝候補の本命になっていくかもしれない。

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