世界最高級への扉を開いた“ベルギーの巨人” ルカクはワールドクラスの領域へ

現在開催されているEUROでも、ベルギー代表のエースとして圧倒的な存在感を放っているルカク photo/Getty Images

国際舞台でも存在感は抜群

現時点におけるワールドクラスのストライカー。そう聞けば、人々は誰のことを思い浮かべるだろうか。おそらく、バイエルン・ミュンヘンに所属するポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキやトッテナムに所属するイングランド代表FWハリー・ケインはその筆頭格といえるだろう。彼らをワールドクラスと呼ばずして、いったい誰にその称号を渡すべきか。この2人は、それほど絶対的な力を持った点取り屋だ。

しかし、それに加えてもうひとり、インテルに所属するベルギー代表FWロメル・ルカクもその領域に到達したのではないだろうか。若かりし頃からポテンシャルは抜群とされながらも、プレミアリーグではなかなか殻を破ることができていなかった同選手。だが、2019年夏のインテル移籍を契機として、この男の才能は完全に開花した。

恵まれたフィジカルを活かしたプレイはもちろんのこと、抜群のスピードを活かした突破も魅力的なルカク。イタリアで随所に抜け目ないFWとして覚醒した男は2020-21シーズンに公式戦30得点を記録し、チームのセリエA制覇に貢献。まさに“万能”といえる活躍で、一躍トップスターの仲間入りを果たしたと言っていい。
そんなルカクは、現在開催中のEURO2020でも活躍中。グループステージ3試合では3得点を挙げる活躍で、ベルギー代表の決勝トーナメント進出に多大な貢献を果たしている。大舞台でもその能力を遺憾なく発揮できるストライカー。その評価はうなぎ登りと言っていい。

加えて、日本時間27日の深夜に行われたラウンド16のポルトガル代表戦でも、ルカク個人のクオリティの高さは改めて窺い知ることができた。この試合でゴールこそ奪うことはできなかった同選手だが、随所で圧倒的なボールキープを披露。味方のサポートが足りない状況でも、彼は強靭な肉体と柔らかなボールタッチを駆使して前線にタメを作る存在に。周囲の味方が少ない場面も多かっただけにシュートチャンスこそ数えるほどだったが、その存在感は抜群だった。ベルギー代表が前回覇者を退けるにあたって、ルカクが必要不可欠だったことは間違いない。

「人々はいつもケインやレヴァンドフスキ、ベンゼマのような選手について話し、彼らのことを“ワールドクラス”と言っている。だけど、僕に対しては“良い選手”程度の評価しかしない。ここ2年間では素晴らしいものを示したにもかかわらずね。個人的には、僕もそのグループに入っていると思う。インテルでは優勝したしね」(伊『calciomercato』より)

ポルトガル代表戦の前には、このように発言していたルカク。強気なコメントではあるものの、今の彼は確かにワールドクラスの1人として評価されるに値するストライカーと言えるか。イタリアへ渡って大きな成長を遂げた巨人FWは、ついに世界最高級への扉を開いている。

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