1本のパスですでに勝負は決まっていた? フンメルスのオウンゴールを誘発した理由は

勝敗をを決めたのはポグバのパスだ photo/Getty Images

ポグバのパスにリュカが折り返す

UEFA EURO2020のグループFでフランス代表はドイツ代表と対戦し、1-0で勝利した。フランスとドイツに加えてポルトガル代表とも同組となり、グループFはまさに死の組となった。先にポルトガルが勝利したため、初戦は落としたくない両国。こう着状態が進む中で試合を決めたのは1本のパスだった。

決勝点となったのはマッツ・フンメルスのオウンゴールだった。しかし、それを引き寄せたのはポール・ポグバのパスだ。20分に中央右から左サイドでフリーになっていたリュカ・エルナンデスへアウトサイド気味にスピードのある鋭いパスを出す。左サイド手前で落ちたボールを受けたリュカ・エルナンデスはダイレクトで中へ折り返すと、勢いあまったフンメルスのクリアがそのままゴールネットに吸い込まれた。

フンメルスのクリアまでドイツは一切ボールに触ることはできなかった。ポグバがボールを受けたときには3人が見ていたものの、パスの行方には誰も追いつけず。リュカ・エルナンデスの折り返しも見事だったが、ポグバのパスで、すでにドイツDF陣は破られてしまっていた。
もしフンメルスが触れなかったとしても、中にいたキリアン・ムバッペが詰めていただろう。ポグバに対しての寄せが非常に甘かったところで勝負はついていた。後半も何度も最終ラインを破られてあわや失点というシーンは多かった。ドイツにとって今大会初戦で顕著となった守備の甘さは今後も改善点となるはずだ。

そんなドイツの守備陣の出来を差し引いてもポグバのパスは素晴らしかった。空いていたスペースに飛び込めず、リュカ・エルナンデスのスピードに対してもギリギリの速さでのパスを通した。あの瞬間に出されたアイデアと発想力は、すでに相手を上回っており結果的にそのパスからゴールが生まれた。ポグバのパスの時点で勝負は決まっていたのだ。

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