バイエルンに来た新鋭DFに期待せよ 対人得意な“左サイドのワン・ビサカ”

バイエルンへの加入が発表されたリチャーズ(右) photo/Getty Images

2部から来た男と侮ることなかれ

2021-22シーズン、バイエルン・ミュンヘンに興味深い男が加わることとなった。現地時間27日、同クラブはイングランド2部・チャンピオンシップのレディングからDFオマー・リチャーズ(23)を獲得したことを発表。契約は2025年までで、背番号は「3」を着用することとなっている。

そんなリチャーズは左サイドバックを主戦場とする選手。バイエルンにはアルフォンソ・デイビスという選手がいるだけに、同選手はこの快速レフティーの控えとして獲得されたことは多くの人が理解できるところだろう。今季のデイビスは怪我の影響で戦線離脱をした時期もあっただけに、バイエルンが保険をかけておきたいのも理解できる。

だが、バイエルンはいったいなぜこのリチャーズという男をわざわざ獲得したのか。いくらレベルが高いとはいえ、チャンピオンシップも2部リーグであることに違いはない。彼らほどのクラブであれば、4大リーグからもう少し知名度のある有望株を引き抜くことができたのではないか。そう思った人もいるだろう。
しかし、このリチャーズという選手、もしかすると来季は一気にブレイクを果たすかもしれない。現時点での知名度こそ低いものの、バイエルンが獲得しただけあってその実力は確かだ。

データサイト『SofaScore』によると、今季チャンピオンシップでリチャーズが記録したスタッツは驚異的。この23歳は攻守両面にわたって隙のない数字を残しており、攻撃面では得意とするドリブル突破の成功数が55回を数え、守備面ではタックル数が114回を記録している。230回をマークした地上戦勝利数も含めて、これらはいずれもリーグDF中最多の数字というのだから驚きだ。

彼がいかに今季のチャンピオンシップで圧倒的な存在だったかは、こうした部分からも見て取ることができるだろう。対人に優れたイングランド出身のSBであることから、イメージとしては“左サイドのアーロン・ワン・ビサカ”といった表現がしっくりくるか。

「オマーはオン・ザ・ボールの技術やスピード、前進するためのドリブル技術など、素晴らしいものいくつも備えた左SBだよ。こういった能力を持つ選手はどんなクラブも欲しいはずだ。本当に彼の才能には驚かされたよ」(ブンデスリーガ公式サイトより)

そんなリチャーズの才能には、レディング時代に彼を指導した経験のある元オランダ代表DFヤープ・スタム氏もこのように太鼓判を押している。はたして、チャンピオンシップからやってきた新鋭DFは、来季バイエルンでどれほど重要な存在となっていくのだろうか。2部上がり若手と侮ることなかれ。新加入DFの秘めるポテンシャルは計り知れない。

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