オランダで暴れる“マルチロール・サムライ” 中山雄太はリーグ屈指の万能戦士に

今季ズヴォレで印象的なパフォーマンスを披露した中山 photo/Getty Images

攻守でズヴォレを支えた和製レフティー

2020-21シーズン、オランダ・エールディビジで最も印象的なパフォーマンスを披露した日本人選手といえばフローニンヘンに所属するDF板倉滉(24)だろう。リーグで4番目に少ない失点数「37」を記録している同クラブの主力として、1シーズンをフルで戦い抜いたサムライへの評価は現地でも高い。蘭『FCUPDATE』が選ぶ今季のベストイレブンにも選出され、24歳は今夏のステップアップに期待がかかっている。

しかし、今季のエールディビジではもう一人“24歳”のサムライがその評価を高めることに成功した。ズヴォレに所属するMF中山雄太(24)だ。2019年1月、板倉と時を同じくして海を渡ったサムライもまた、オランダで順調なステップを踏んでいる。

今季はズヴォレで守備的MF、左SB、CBと複数ポジションで計32試合に出場した中山。冒頭で紹介した『FCUPDATE』のベストイレブン企画では11人の枠に入ることこそ叶わなかったものの、サブメンバーの7人には選出されており、そのプレイぶりは現地でも高く評価されていることが窺える。
それもそのはず、今季の中山は攻守にわたって印象的なスタッツを記録しているのだ。データサイト『SofaScore』によると、2020-21シーズンの中山はクリア数(72回)やインターセプト数(36回)、パス成功数(1184本)、ロングパス成功数(87本)といった部門でいずれもチームMF中トップの数字をマーク。なかでも注目したいのはクリア数で、これはリーグ全体におけるMF登録の選手のなかでもトップだったというのだから驚きだ。柏レイソル時代からビルドアップに優れた守備者というイメージは強かったが、その武器はオランダでもしっかりと通用していることが見て取れる。

さらに、空中戦勝利数では同2位の82回を記録。勝率も64.57%と悪くなく、エアバトラーとしての側面も見せる結果となっている。ハードな守備も、正確なパスも、そして空中戦でも違いを見せる万能戦士。2020-21シーズンの中山は、まさにそんな表現がピッタリの選手だったと言っていい。

今夏の移籍こそまだわからないものの、この調子で活躍を続けることとなれば、中山に欧州4大リーグクラブから声がかかる日もそう遠くはないかもしれない。板倉の活躍に注目が集まった今季エールディビジの日本人選手だが、随所に気の利くレフティーの奮闘も見逃せない。

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